悲しき詩 | ナノ




63



「、え?」


突如響いた声

それと同時に、ツナとクロームの足元とリナリーの足元の2ヶ所に黒い星マークが浮かび上がった


「きゃ、」


「うわっ!?」


逃げる間もなく、身体が黒い星の中へ吸い込まれてしまった

ツナが完全に吸い込まれる前に見たのは、リナリーに引きずられるようにして一緒に中へと吸い込まれていくアレンたちの姿だった





【よーこそ、ボンゴレ】





「(、この声は…)」


笑みを含んだそれに聞き覚えはあり、思い当たった人物に眉をひそめる





【歓迎するぜ……ようこそ、俺らの方舟へ】










―――…ゥゥウウウウ…


「うわぁぁぁあああ!!」


ドタッ ドタドタドタッ


上空から落とされ、咄嗟にクロームを庇い地面に叩きつけられ、一瞬痛みで息が詰まるツナ

その上次々と人が降ってくるのだからたまらない


「いったた……大丈夫?クローム…」


「ボスが庇ってくれたから…私は大丈夫」


「す、すみません2人とも…早く下から…どいて下さい……」


ツナたちに体重がかからぬよう、ブルブルと震える腕で多くの人を背中に乗せているアレンが絞り出すような震える声で2人に訴える


「うわっ、ご、ごめん!!」


アレンのその必死の形相に慌てて下から抜け出した時……クロームの下敷きになる形で、変なモノがあることに気付いた

上に乗ったままギャーギャー騒いでいる仲間たちにアレンが文句を言っているのを聞きながら、ソレに気付いたクロームが首を傾げる


「……なに、コレ」


まるで汚い雑巾を持つような手つきでつまみ上げたのは……


「……かぼちゃ?」


<レ、レロォ…>


方舟へと連れてきた張本人、レロだった(潰れて随分と平たくなっているが)




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