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色々混ざりあう不思議な音を叩きつけられてクロームは顔をしかめるが…
「俺は何も聞こえないけど…」
この音――いや、"声"が聞こえているのはクロームだけのようだった
「飛び飛びだけど…声が…女の人が、"らび"、"みらんだ"……あと、"だして"って…」
「、まさか…リナリー!?」
聞き覚えのあり過ぎる名前に目を見開くアレン
「でも、何かノイズが酷くて……っ嫌な感じが、する…」
キィ――…ンと、耳鳴りのような耳障りな雑音が大きくなっていく
まるで、危険が迫っていると知らせるように
「っ急ぐぞ!あの結晶の近くに伯爵様と他のエクソシスト達がいる!」
「、先に行きます!!」
仲間に迫る危険に、アレンはリナリーが閉じ込められているであろう結晶に向かって走っていく
「おい弟子!勝手に突っ走るな!!」
ユキエの声も恐らく届いてはいないだろう
「ボス、私たちも行かなきゃ…」
「分かってる」
同じく走り出そうとした2人の肩を――後ろから、掴んだ者がいた
「ダーメ。オマエらはここで待機な」
グイッ
「…っ、!?」
誰もいないはずの背後から肩を掴まれ、思いっきり後ろに吹っ飛ばされる
「ちょーっとさ、聞きたいことがあるんだよなぁ俺が」
手をヒラヒラさせながら軽い笑みを浮かべるのは、金髪の男
「アレンは邪魔だし別にいらないから行かしたけど…お前らは通すつもりはないぜ」
これ以上千年公に怒らせたくねーし、と笑いながら大剣の切っ先をツナたちに向ける
「お前は……」
「よぉ、ボンゴレ10代目とその守護者さん」
「紅蓮……!!」
名前を呼ばれ、男――紅蓮は楽しげに唇を歪めた
。
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