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「―――……ぁぁぁああああ!!」
ドタッドタドタドタッ
「い、ったた……」
「何なんですか…っ皆さん、重い…」
「女の子に向かって…酷い…」
「つべこべ言わずテメェら全員どけ!!」
上から落とされ、1番上にクローム、そしてツナ、アレンと続き…1番下にユキエという順番で積み重なっていた
「す、すみません!」
「ったく…」
不機嫌そうにブツブツとユキエは文句を言っているが、3人はそれに構っている余裕はなく、キョロキョロと周囲を見渡す
「えっと…ここが、"江戸"…?」
江戸という名称から、木造建築が並んでいるのを想像していたが……今ツナたちがいる場所は、白い建物にたくさんの扉が並ぶ、どちらかと言えば西洋風の街並みだった
「いえ、ここは…方舟…?」
唯一見覚えがあったアレンが小さく呟くと、ユキエは少し驚いたような様子で口を開く
「何で弟子が知ってんだ?」
「弟子ではなくアレンです。いい加減覚えてください」
間髪入れずに訂正をいれたアレンの顔は笑っているのに…目は笑っていない
「いーじゃん、弟子は弟子だろ」
「ツナはツナと呼ぶのに何故僕は弟子なのですか!不公平です!」
「…アレン・ウォーカー、私なんてただの"女"…」
「う…」
女に比べたら弟子呼ばわりのほうがまだマシかもしれない…とアレンは渋々引き下がる
「そ、それよりもアレン、ここって"江戸"じゃないの?」
ツナのその問いかけに、アレンは説明しようと口を開くのだが…
「えーっと…僕もあまりよく分かっていないのですが…ここは江戸ではなく方舟だと思います。あ、方舟というのは…移動手段?いや、なんていうか…」
何ともふわふわとしたもので話のまとまりがなく、イマイチ理解が難しい
「あーもー分かんねーなら口出しすんな!」
ドゴォ
「いっっっ!!!」
「「……」」
焦れたユキエの飛び蹴りが直撃して悶絶しているアレンを、ツナとクロームは憐みに満ちた目で見つめたのだった
。
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