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ユキエはツナたちの前に自分の手を差し出す
「ほら、手ェ出せ。オレたちアクマだけが通れる"扉"だから、オレという媒介と一緒じゃないと通れねーんだ」
言われた通り手を握ると、ユキエの体が淡い光に包まれる
「10代目、行ってらっしゃいませ」
「気をつけてな、ツナ!」
獄寺と山本の見送りの言葉に、ツナは少し緊張しながらも目を見て頷く
そんなツナに、山本の肩に乗ったリボーンが言葉をかける
「ママンや京子たちのことなら心配いらねーからな。心置きなく戦ってこい。アレン、クロームも頼んだぞ」
徐々に光を強めていくユキエは、もう目を開けていられない程の光を放っている
「"扉"を開けるぞ!」
ぎぃぃ、と古びた扉が開く音が響く
「そ、それじゃあ行ってきます!!」
「あ、犬と千種にも一言、言っておいて欲しい…!」
「行きましょう…!」
「――"ゲートオープン!リンク先は江戸A-436!"」
光が一際強くなったかと思ったら、ユキエの声を最後にツナたち4人の姿はそこから消えていた
「……行っちまったな、ツナたち」
「あぁ…」
つい先ほどまでツナたちがいた空間を見ながら、獄寺は小さく頷く
これから彼らは過酷な戦いに挑んでいくのだろう
何もできない自分が歯がゆくて仕方がない
「どうか――…」
どうか、皆無事で帰ってきてほしい
いなくなってしまった彼女と共に、また――…
。
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