悲しき詩 | ナノ




45



「……は?」


あっさり言われた言葉が一瞬理解することが出来ず、思わず聞き返すが…


「だから、もう来てますっテv」


ドゴォォン…―


「…ネ?v」


タイミングよく聞こえてきた爆発音に、紅蓮はため息をつきジャスデビは目を輝かせた


「見に行こーぜ!!」


バタバタと慌ただしく走っていくジャスデビの後ろ姿を見送り、紅蓮は面倒だと言わんばかりにため息をつき、その後ろを追っていく

――手に、愛剣を握りしめて










「おーやってるやってる」


一足先に戦場へとやってきたティキは目の前に広がる想像通りの光景にある意味関心する


「―!アンタらがノアだな!?」


満!と叫んで大きくなった槌でティキに向かってくるのは、赤髪の少年


「おっと、」


それを危なげもなくティーズで防ぎ、ティキは嗤う


「しょうがない、ちょっくら遊んでやるよ」


ぱちん、と指を鳴らせば現れるのは、沢山の蝶の姿を模した食人ゴーレム


「喰っちまいな、ティーズ」


「"天針"!」


その言葉と同時に、襲いかかろうとした蝶に大量の針が突き刺さる


「油断するなと言ったであろう、ラビ!」


「うるせェクソジジィ!」


ティキから距離を取り、現れたブックマンはラビの隣に立つ


「…あれ、イカサマ少年がいないじゃん」


周囲を見渡し、そこに求めていた人物の姿を見つけることができずティキは若干落胆したように呟く


「まぁいいや。せいぜい楽しませてくれよ、エクソシスト。紅蓮の言うような弱さじゃつまらないからな」


「紅蓮!?な、どうして紅蓮の名前がここで…!」


すでに"江戸"中にいたアクマたちは融合し、とてつもない大きさへと成長している

紅蓮の名前に動揺するエクソシストを見て、ティキは楽しそうに笑う


「さぁ、遊ぼうぜエクソシスト!!」


パッとラビたちが飛びずさったすぐ後、融合した巨大なアクマの足がそこに振り下ろされた





「ジャスデビの2人はクロス・マリアンを追いなさいv嫌な予感がしまスv」


「「はーい」」


「我々はここでティキポンの戦いを見ていましょうネv」


「………早く来いよ」


――紅蓮は微かに、口元を歪ませた




記憶のトビラ

一つ一つ、思い出していって



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