悲しき詩 | ナノ




23



「、えっと…アレン、」


色々ショッキングな事言われたであろうアレンに何て声をかければいいのだろうか


「そ、その気にしないでっていうのもアレだけど、その…」


「――大丈夫です、ツナ」


明らかに大丈夫そうには見えないのに、無理に作った笑顔でもう一度大丈夫、と呟く

まるで自分に言い聞かせるように…


「――おめーら、今日はもう帰れ」


「リボーンさん…、」


「アレン・ウォーカー、お前はまず休め」


かけられた言葉にアレンは目を見開く


「そんな…休んでいる暇なんてありません!一刻も早く愛結を…!」


こんなところで立ち止まってる暇なんてないのだ

江戸への行き方も調べなければならないし、何よりもっと強くならねば彼らに、ノアに勝つことはできない

焦るアレンに対してリボーンは落ち着いた声色で説明する


「立て続けに色々あって混乱してるはずだ。自分で整理をつけろ。そんな精神状態の奴は足手まといになるからな…それはおめー自身が一番良く分かっているだろうが」


正論に何も言えず言葉に詰まる


「ほら、おめーらも帰れ」


グイグイとリボーン(の銃)におされ、渋々獄寺たちも部屋から出ていく


「では失礼します10代目」


「また来るからな〜」


「極限にさらばだ!」


「はは…うん、またね」


3人がいなくなり、静かになった部屋


「ダメツナ。おめーもだぞ」


「あ、うん。じゃあ…ゆっくり休んでね、アレン」


「はい…すみません…」


申し訳なさそうなアレンの顔色は、確かに万全とは言い難い

今は新進共にゆっくり休む時間が必要なのも頷ける

心が弱っていたら、戦えなくなる――きっとこの先待っているのは、そういう戦いだ


「…――愛結ちゃん…、」


姿を消してまだ数日だと言うのにもう何年も会ってないような感覚にツナはため息をつく

――早く会って、また笑いあえる日々が待ち遠しいよ、愛結ちゃん…




謎が謎をよんで

(前も見えぬ深い霧)



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