殿方達と恋をする | ナノ










四国を治める者


西海の鬼神 長曾我部元親は久々の上陸に胸を踊らせていた


なんせ、数週間と言う間 海上生活をしていたのだから




「久々の陸だな…」



穏やかな波の音


風に揺れる森


どれもが新鮮に思えた




そんな彼は今、"噂の場所"へ向かっている


その"うわさ"とは、海岸の外れにある人気のない入江からきれいな歌声が毎夜聞こえてくるとか…

それはもちろん、彼の好奇心を刺激するわけで…


「どんな奴がいるのか楽しみだなァ!はっはっ」


と、楽しそうだ




歩みはどんどん早くなり、ようやく入江にたどり着いた


まだ夕時



太陽は半分も沈んでいない



「…寝るか」



元親は岩影に身を潜め、眠りについた






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