殿方達と恋をする | ナノ










「はぁ〜あ、新しい処刑の方法、中々思い浮かばない…」



と、しょっぱなから恐ろしいことをつぶやいているのは執心流浪の文字が付くあの後藤又兵衛だ



個人的に恨みがあるものを載せている又兵衛閻魔帳


世で言うブラックリストというものを片手に新しい処刑方法を考えているようだ



そんな彼に部下は恐怖心を持つ反面、彼の良いところもちゃんと理解している

それが彼の部下たちのいいところだ



「そぉだ、まだ上杉謙信を処刑してないなぁ…どうしよっかなぁ…ケケケケ!」


『又兵衛様ぁ〜!』


「あ…」



処刑方法を想像している中、突然聞こえた透き通る鈴のような声


又兵衛はこれに振り向いた


『こんなところにいたのですか又兵衛様!また官兵衛様の穴蔵に勝手に入ってはまた叱られてしまいますよ?』


「チッ…せっかくいい処刑方法が思い浮かびそうだったのにさァ…邪魔すんな」


『またですか?もう、いつもの処刑方法でもいいじゃないですか』


「それじゃぁつまらないでしょ」


『む…まぁでも、新しい処刑方法が増えればその分かっこいい又兵衛様が見れるから、一石二鳥ですね』


「……はァ?」


説明しそびれたが、彼女は又兵衛の嫁である

名は夏姫


又兵衛にはもったいないくらいの美女である




「…そういえば、お前、あの時もそんなこと言ってたよねェ」


『あの時?…』


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