殿方達と恋をする | ナノ







扉の向こうからはドタドタと騒がしい足音


そして女中や家臣たちの騒がしい制止を促す声


「姫様!はしたのう御座います!」

「どうか落ち着いて!」

「姫様ああっ!」



段々と近づいて来る足音


そして、扉が思い切り開かれたかと思うと物凄い速さで何かが秀吉に向かって飛び込んだ




『秀吉さまあああっ』


「おお、夏姫」



夏姫と呼ばれた女


先ほど話に上がっていた娘である


『秀吉様!いついらっしゃってたの?』


「つい先ほどな…それにしても、また美しく育った」


いつもの秀吉とは違い、優しい表情をしている事にその場にいた一同(半兵衛以外)は驚いたがそこはあえて流しておこう



「ま、この通りだ、お前との同盟を組むしかほかにない」


「感謝する」


『よろしくお願いいたしますね、秀吉様』


城主同様、柔らかなほほ笑みを浮かべ丁寧に頭を下げた


「夏姫、まだ少し話すことがあるんだ、席を外してくれないか」


『はい、父様』


それでは、と秀吉と半兵衛に頭を下げ、去り際に後ろで控えていた三人にも笑顔を向けた





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