![]() その日、豊臣秀吉率いる豊臣軍はとあるぐんと同盟を結びに港町まで来ていた その軍勢は海に面したところを拠点としている さて、場所は変わり、その海が一望できる高台にある立派な城へ。 その大広間には豊臣秀吉とその右腕、竹中半兵衛 そして部下である石田三成、徳川家康、大谷吉継がいた 彼らの目の前にはニコニコと笑顔を絶やさずにいる城主 「久しいな秀吉よ」 「うむ、お前も変わらず何よりだ」 どうやらふたりは幼少の頃からの仲らしい 会話が弾む二人の後ろでじっと控えている三人の中に、ひときわ目立つ白 石田三成 彼が今回の物語の主人公のひとりである 「ははは、懐かしいな秀吉よ…はて、その後ろで控えているのはお前が文でよく書いておる者たちか?」 「ああ、そうだ」 城主は三人を見た それに合わせて彼らも自己紹介を始める 「ワシは徳川家康と申します」 「大谷吉継よ」 「…石田三成と申します」 「ああ、そうかお前さんが三成か」 最後、三成が名を名乗ると城主は顔を綻ばせた 「いや、よく秀吉がお前たちのことを書いていてな、その中でも特に、三成という文字を目にしていてなぁ…そうかそうか、お前さんだったか」 またニコニコとした とうの三成は秀吉が自分のことを書いてくれていることに感動し、その嬉しさのあまり震えていた 「そういえば、お前の娘はどうした」 秀吉が城主に問う すると城主は広間の入口である扉を指さした 「もうすぐやってくるだろうよ、それも物凄い勢いで」 その言葉の後、廊下が騒がしくなった [*前] [次#] |