猫人間と視察に行こう




「うわ〜〜……すっごい人だかりだあ」

「よし、行こうか」

「え?この中突入するの!?まじでか!」


「意味ねェからどけ、モブ共」


「えっなに今の、めっちゃ口悪……ちょ、心操くん?」

「どんなもんかと見に来たが、ずいぶん偉そうだなあ」

「(ええーっ!そんな前行くの!?)」

「ヒーロー科に在籍する奴は皆こんななのかい?」

「ああ!?」

「こういうの見ちゃうとちょっと幻滅するなあ」

「(後ろの人達全力で首振ってますけど!)」

「普通科とか他の科ってヒーロー科落ちたから入ったってやつ、けっこういるんだ。知ってた?」

「(って、いうか!人多すぎて全然前行けな……!)」

「体育祭のリザルトによっちゃ、ヒーロー科編入も検討してくれるんだって。……その逆もまた然りらしいよ」

「ぅ、わっ!……やっと出られた」

「敵状視察?少なくとも俺は、調子のってっと足元ゴッソリ掬っちゃうぞっつー、宣戦布告しに来たつもり」

「「(この人も大胆不敵だな!!)」」

「ちょっ、ちょちょちょ心操くん?君なんでそんなに喧嘩腰なの?」

「俺ヒーロー科嫌いなんだよ」

「初耳だよ!編入したいんじゃないのか!」

「今嫌いになった」

「「猫だ!」」

「うちの心操くんがどうもすみません!ちょっと言い方キツイだけでいい子なんです!」

「君は俺の保護者か」

「あたし普通科の名無しっていいます!こっちは同じクラスの、」

「紹介しなくていいから。なんなの名無さんどこに向かってるの」

「ていうかまじで人多すぎて無理、もう無理飽きた、帰ろう」

「今の今までめちゃくちゃテンション高かったじゃん」

「に"ゃあ"っ!!?おい今尻尾掴んだやつ誰だ表出ろゴラァ!」

「!? 俺もまだ触ったことないのに……!!」

「君は何を悔しがっているんだ!!もーいーよ帰ろう心操くん!お邪魔しました!!」





「……嵐のような人達だったね」

「主に猫の方な。爆豪までぽかんとしてたぞ」

「つうかあの子かわいかったな」

「お前はそればっかりだな……」
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