事件のあとの猫人間




「心操くん事件だよー!"敵襲撃事件"!」

「なんでそんなテンション高いの……?」

「臨時休校なんて嬉しいじゃん?で、どう思うよ未来のヒーローは」

「その呼び方恥ずいからやめてくれないかな……、普通にバカだと思うよ」

「ほんとにねー、ココ雄英だよ?でもそのガッツはすごい」

「敵褒めてどうすんの」

「それもそうか」

「あ、事件で思い出した」

「ん?」

「名無さん、ちょっとA組見に行かない?」

「A組?襲撃されたとこ?」

「そう。ホラ体育祭も近いし」

「そうだ、体育祭!!心操くん大チャンスだね!?」

「声でかいよ」

「勿論編入狙うんでしょ?」

「……まあ」

「心操くんの個性なら余裕だよー!応援してるから頑張ってね!」

「ありがとう。ほんと名無さんだけだよそんなこと言ってくれるの」

「だからなんでだよ!!」

「なんで君がキレるんだよ。
 それより名無さんの個性こそ体育祭向きなんじゃない?キャラ立つでしょ」

「うーん、でもあたしヒーローとか興味ないからなあ」

「……」

「いくら個性がヒーロー向きとか言われてもさ。あたしなんかより心操くんみたいな志の高い人がなるべきなんだよ、ヒーローは」

「……あー、もう……本当に……」

「なに?」

「…………なんでもないよ」

「んー?心操くんはへんなひとだな?」

「名無さんに言われたくないな。……で、行く?」

「行く!そのとき気分がノってたら!」

「うん。ノってることを祈るよ」
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