私のヒーローアカデミア




「あっ、いずくんいた!」

 かっちゃんのツンツン頭とはまた違う、これまた懐かしいモサモサ頭を見つけて駆け寄る。ああ、いずくんにも身長越されちゃったんだなあ……男の子なんだから当然だけど、なんか切ない。

「しちゃん!しちゃんも雄英だったんだ」
「それこっちの台詞だよー!いずくんすごいねえ、頑張ったんだねえ!」

 無個性である彼がここに合格したんだから、並大抵の努力じゃなかったはずだ。昔から芯のあるすごい人だとは漠然と思っていたけど、やっぱりちゃんとすごいんだなあ。

「え、へへへ……それにしても、会うのは随分久しぶりだね」
「そうだねえ、かっちゃんもいずくんも見ないうちに大きくなりよって!」

 本当に、私ばっかりが子供みたいだ。ちょっと寂しい。私ももっと身長とか、筋肉とか、がっつり成長したかったぞ。

「で、でもしちゃんだって…………」
「え、何?何でそこで止めるの?こわい」
「いっ、いや、ごめん!なななんでもない!」

 何を言いたかったのか全然わからないけど、その内容を気にするよりもいずくんのどもり具合を懐かしんでしまった。ああ、彼も変わってなくて良かった。私は今とても嬉しい。

 嬉しさに任せて話に花が咲く。でもそんな風に談笑しながら歩いていたら、イレイザーヘッドに怒られてしまった。慌てて走り出す。

「時間は有限だ。何年ぶりの再会だか知らないが悠長に喜び合ってる暇はないぞ」
「はーいすみませんイレイっ……澤先生!」

 いつも通りヒーローネームで呼ぼうとしたら首に巻いてある紐でべしっと叩かれた。それ結構痛いですよ……?チョップの方がまだいいよ。イレ……い澤先生の目が怖いので訂正しておく。

 入学初日に一体何をするのか。イ……相澤先生が話し出すのを、わくわくしながら聞いていた。
「#エロ」のBL小説を読む
BL小説 BLove
- ナノ -