猫人間と洗脳くんは




「……心操くん、なに?どうしておもむろに頭を撫で始めたの?」

「俺猫好きなんだ」

「知ってるよ!!」

「名無さんってさ、猫みたいに顎の下撫でられると気持ちいいの?」

「唐突だな君は!猫的には気持ちいいけど人間としてはくすぐったいから半々ってとこ」

「ふーん……やっていい?」

「(超やりたそう)……いーよ」

「!」

「(うわめちゃくちゃ嬉しそう……目きらきらしてるよ。どんだけ猫好きなの)」

「名無さんも猫みたいに喉鳴るんだ」

「まあ猫だからね」

「へえ。かわいいね」

「……そ、そろそろくすぐったいのでやめてください」

「ああ、ごめん」

「(この人真顔で変なこと言うんだよなー……反応に困る)」

「(思ったより動揺しないんだよな……届いてなさそう)」

「そういえばさ、心操くんは体育祭に向けて特訓とかしてんの?」

「……特には、ないかな」

「ふーん」

「興味無いなら聞かないでよ」

「今日は会話を続けたい日なんだもん」

「(まあ俺は嬉しいけど)」

「というわけで心操くんに質問です。好きなものはなんですか!」

「猫」

「いやだからそれは知ってるよ質問の意図を汲んでくれ!たべものとか趣味とかさあ!」 

「……サイクリングは好き」

「えっ」

「え、なに?」

「いや、ちょっと予想外にアクティブな回答でびっくりしていた」

「ほんとナチュラルに失礼だな君」

「へー、サイクリングかあ。あたし自転車乗れないんだよねー」

「は?」

「ていうか乗ったことない。歩くの好きだし」

「へえ……そんな人いるんだ」

「でも心操くんとならいいかもなあ」

「っ、」

「今度連れてってよ。自転車練習するから!」

「……そのとき気分が乗ってたら、でしょ?」

「まあ、あたし当日になって面倒くさくてドタキャンとかよくあるからね」

「最低だな」

「あっはっは!だから遊びのお誘いは当日にしてね」



「(……この子天然でコレなんだろうなあ)」
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