猫人間と洗脳くん
「そういえばさー」
「ん?」
「心操くんの個性ってなに?」
「…………」
「あ、もし言いたくなかったらいいんだけどね。あたしだけ知られてるのもなんか癪だから聞いてみただけ」
「……"洗脳"」
「せんのう!?」
「うん」
「えええすごい!発動条件とかある?」
「俺の問いかけに答えたら操れる」
「へー、それだけなんだ!すごいねーじゃあこうやって話してるだけでも操れるのかあ」
「……こわい?」
「へ?」
「操られるかも、とか思うでしょ普通」
「え、なんで?心操くんそんなことする人じゃないじゃん。メリットないし」
「…………」
「それよりさ!それだけ強い個性ならやっぱりヒーロー志望?」
「……一応ここのヒーロー科受けたけど、落ちた」
「ええーそうなんだ、もったいないなー。折角ヒーロー向きの個性なのに」
「名無さんさ、変だよね」
「ふぁ!?なんだなんだ急に失礼だな!?」
「俺の個性、普通の人はまず"敵向き"って言うんだよ」
「ふーん……?その人達の方が変だと思うけどなあ……心操くんそんな人じゃないじゃん」
「そんなこと言うの名無さんくらいだって。ていうか、よくこの短い付き合いで言いきれるね、俺が猫かぶってるかもしれないじゃん」
「ないない。だって、
猫好きに悪い人はいないもん」
「(やっぱり、変な子だな……)」
「それにどっちかっていうと猫かぶってるのはあたしじゃない?猫だけに!」
「言うと思った」