出会う




 マスルールは、シンドリアの森を訪れていた。

 どうして…と理由を尋ねられると困ってしまう。強いて言うなら、それが彼の日課だったからだ。

 ここ最近、マスルールはほぼ毎日この森を訪れていた。始めは業務から逃げるようにやってきた森だったが、それ以上に、ここは彼にとって落ち着ける場所なのだ。

 森を少し進んだところで、マスルールはあることに気が付いた。


「(動物がいない…)」


 普段はオラミーやパパゴラスを始めとした多くの動物達で賑わっている森なのだが、どうしたことか、今日は極端に数が少ない。

 不思議に思ったマスルールは、ちょうど足元を通った一匹のオラミーを追いかけることにした。

 オラミーは特にマスルールを警戒することなく、至ってゆっくりと森を進んでいく。マスルールはただ、その後ろ姿を追った。
 

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