―――煉獄関


鬼道丸に代わり煉獄関で新たな顔になっていた荼吉尼族の鬼獅子の目の前に鬼道丸のお面を被った銀時が立ちはだかった。

鬼獅子は銀時にの脇腹に一撃を決め、勝ったことを確信したが、全く折れることのない彼の強い瞳が鬼獅子を見た。

そして会場の誰もが思いもしなかったことが起こった。なんと銀時が鬼獅子を倒してしまったのだ。

そんな銀時に怒り、煉獄関の闘士たちがみんな出てきたが、後からやってきた新八と神楽と共に返り討ちにあうのだった。

「なんだこいつら…」

主催者は、目の前の光景に混乱していた。

「理解できねーか?いまどき弔い合戦。しかも人斬りのためにだぜ。得るものなんざ何もねぇ。わかってんだよ、ンなこたァ。だけどここで動かねーと、自分が自分じゃなくなるんでィ」

沖田は主催者の頭に剣を突きつけながら鋭い瞳で答えた。

「て、てめーら。こんな真似してタダで済むと思ってるのか?俺たちのバックに誰がいると思ってんだ」

焦った主催者は、自分の優位をまだ信じていた。

「さァ?検討もつかねーや。」

「お前ェらの後ろに誰がいるかって?僕たち真選組だよー」

「あらら〜おっかない人がついてるんですね」

しかし、そんな言葉で真選組たじろぐ訳もなく沖田、土方、そして凛を筆頭に隊士たちは彼らの身柄を捕らえた。


―――


「結局、1番デカイ魚は逃がしちまいやした。悪い魚ほどよく眠るわけでさァ」

「ついでにてめーも眠ってくれやァ、永遠に。人のことを散々利用してくれやがってよォ」

沖田が屋上で銀時たちに今回の結果を伝えると、散々巻き込まれた銀時は文句を言った。

「だから助けてあげたじゃないですか。ねぇ土方さん」

「てめーらなんざ助けた覚えはねー。だが、今回の件で真選組に火の粉が降りかかったら、てめーらのせいだ。全員切腹な」

土方はタバコをくゆらせながら、さらりと衝撃的な言葉を発した。唖然とする万事屋の面々に、自分は関係ないと煽る沖田に土方は背を向けながら。

「総悟!言っとくけど、てめーもだぞ」

「まじでか」

そんなやりとりに凛は小さく笑った。

「大丈夫よ。その時は私が総悟くんをピーチ姫のように救ってあげるから」

「凛さん。大好きでさァ」

凛は銀時が鬼の面を割った同じ、まるで笑っているかのような、温かく、優しい空を見上げた。

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