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鬼道丸が育てていた子供たちは、引き取り手が見つかるまで真選組で一時的に保護されていた。凛は女性隊士で子供たちも安心するだろうということで、子供たちの面倒を積極的に見ていた。
「ねぇ、お姉ちゃん。万事屋ってどこにあるか知ってる?」
「え?」
凛は年長者の少年の言葉に驚いていると、彼は名刺を取り出し、彼女に渡した。
「何かあったらいつでも来てもいいって言ってくれたんだ…。僕たち先生の仇を討ちたいんだ。先生が裏で悪いことをしていたのは知ってるよ。でも僕たちにとっては大好きな父ちゃん、立派な父ちゃんだったんだよ」
そう言い子供たちは泣いた。
「でもお金がないけど大丈夫かな…」
別の子が不安そうに言うのを見て、凛はあるものを手に取った。
「これは?」
「それは僕たちの宝物だよ。」
「あ、これドッキリマンシールじゃない。万事屋のお兄ちゃん、これ集めてたわよ。それに、他にもお兄ちゃんが好きなものがこーんなにたくさん!これだけあれば絶対に引き受けてくれるわよ」
子供たちを安心させるように、明るい声で優しく微笑んだ。そして、子供たちを連れて外に出ようとした時、土方が声をかけてきた。
「行くのか。」
「はい。」
静かに、しかし強く肯定する凛を土方は見つめ、そのまま無言で凛の横に並んだ。
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