「うー寒い」
御彼岸が過ぎめっきり寒くなった今日。暑さ寒さも彼岸までということわざを身を持って体験した一日だった。
「ねえ、土方さん」
「十四郎でいい」
「…十四郎さん」
「なんだ」
ずっと前、と言うより家に来てから数日経った辺りから気になっていた事がある。
「何で私と結婚するの?」
「…はぁ?」
「私と結婚したって何のメリットもないじゃん。私にはある程度あるけど」
彼は考え込むように黙る。イケないことを聞いただろうか、と少し焦る。
「…ふ」
「え、なに」
「あ、いや、なんでも」
突然笑った彼に戸惑うのと同時にさっきの不安が取りのぞかれる。彼はなにを思い出したのだろう。
「教えてよー」
「いやだ」
20110925 思い出し笑い