「名前、茶だせ」
「自分でしてください」
「場所わからん」
「…もー!」
イケメンが私の家に着て三時間が経過した。私は父に確認を取るために実家に連絡した。
「あ、名前久しぶり」
「ちょっとお父さん、家にイケメ…もとい、私の旦那になるとかいう男がいるんだけど」
「十四郎くんもう着いたのか!イケメンだったろ?俺の出世…もとい、名前の幸せを思って土方さんに頼み込んだんだ」
てめーの出世の為かよ!半ばキレ気味に私は父との電話を切る。幸せになーと言われ余計ムカムカする。
「名前、茶」
「もう!」
とは言いつつも、私は面食いではないが、あんなイケメンと結婚を約束されて悪い気はしない。
「どうぞ」
「おう」
私が淹れたお茶を熱そうに飲む彼。どうやら猫舌のようだ。かわいい一面を見つけ小さく笑うと、何だよ、と睨まれた。
「何でもー」
「言え」
「やです」
「…チッ」
20110922 猫舌です