「おはー」
「あ、坂田」

朝の電車。毎朝坂田と同じ電車に乗り学校へ行く。乗り継ぎがあると言ってもほんの二十分足らずしか電車に乗らないから立っていることが多い。そんなとき彼は決まって私を出入り口側にして自分は通路側に立つのだ。気遣いが出来る分モテそうなのだが…なんせこの天然パーマが邪魔をしているもんだから。

「オイお前今失礼なこと考えてただろ」
「ん?何の話?」
「とぼけんな」
「え?てへぺろなの?」
「何がだよ」

馬鹿なことしかしてないけど、これはこれで凄く心地がよくて好きだ。朝日が電車内に差し込んで暖かい気持ちになっていると携帯が震えた。こんな時間にメールなんて来ないはずなのに、誰だろうと思って携帯を開いてみる。

「メール?」
「うん。十四郎さんだ」
「え、誰」
「んー幼なじみらしい人」
「…ふーん」


差出人 土方十四郎
件名 無題
なんか嫌な予感した。


嫌な予感とは?と思いそれを聞いてみる。


差出人 土方十四郎
件名 Re:
わかんねーけど、
なんか嫌な予感がした。
男と一緒か?

早く帰ってきなさい


いや通学途中ですよ土方さん。出来るだけ早く帰るね、とメールを送る。それにしても何で坂田といること分かったんだろう。まあそのことについては触れないでおこう。


差出人 土方十四郎
件名 Re2:
本当に早く帰って来いよ。


心配性なのか何なのかは知らないが、ちょっとかわいいと思った。かわいいと思ったこと十四郎さんに言うと怒られるだろうなと思いながら彼がこんなメールを打っていることがちょっと嬉しくてにやけてしまう。

「むふ」
「え、何それきもいんですけど」
「うざい天パ」
「今天パ関係なくね?関係なくね?」

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