小説 | ナノ


乱ちゃんはとってもかわいい。だからいつでも側に居てもらっていた。女の子みたいで、きゃぴきゃぴしてて、私と一緒に着物を選んだりなんかする顔は本当にかわいい。一緒に寝ようって誘えばしょうがないなあって一緒に寝てくれる。湯浴みだけは流石に別々だったけれど、湯浴みと厠以外は全て一緒に居た気がする。
そんな乱ちゃんが最近一緒に寝てくれなくなった。主さまはそろそろ一人で寝なよって言って、自室に戻ってしまう。一人で寝転ぶ布団はとっても狭くて冷たくて、乱ちゃんはとっても温かかったんだなあって思ったら、ちょっとだけ涙が出た。

そしてそれが我慢できなくなった頃、乱ちゃんのお部屋まで突撃して一緒に寝てもらおう、と考えた。襖を開けたとき乱ちゃんはとても驚いていたけれど迎え入れてくれた。それにほっとして、乱ちゃんのすぐ側へ座る。

「ねえ、主さま。いま何刻か解ってるの?こんな夜遅くに僕の部屋にくるなんて」
「やっぱり乱ちゃんと一緒に寝たくて。だめかな?」
「主さま……」

そこからはスローモーションだった。天井と、乱ちゃんしか見えなくて、乱ちゃんのさらさらの金髪がわたしの顔にかかるたび、甘い匂いがした。

「主さま、解ってるの?僕も男の子なんだよ」
「え、あの、乱ちゃ、」
「言ったでしょ。僕と乱れてみる?って。」

それを実行しちゃおっか。そう言って上着をはだけさせた乱ちゃんは、誰よりも男の人だった。

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