>> 07

…また見ちゃった。





バイト帰り、たまたま蔵を見かけた。声かけようと思ったら女の人と一緒に居て…。

あーあ、また見ちゃった。これで2回目。二人は手を繋いで嬉しそうに歩いていた。向かう先は…ホテル街。



誕生日のあの幸せな時間は、やっぱり夢で嘘だったのかな。蔵に愛されて独占された気がしたんだけど、私の勘違いだったのかな。

悔しくて悲しくなって、気付いたら光に電話をかけていた。


「…もしもし」

「名前さん?どないしてん」

「今から会えない?」

「え、今からっすか?」

「無理ならいいよ」

「いや、平気っすよ。名前さん家行けばええですか?」

「うん、待ってる。」


私は卑怯なのかもしれない。蔵が居ない寂しさを光を埋めている。光は私に同情してくれているのだろう。光を利用してる自分が酷く醜く思えて仕方がなかったけど、私は一人になりたくなかった。誰かに、光に側に居て欲しかった。





「何かあったんやろ?」


私が家に着いてすぐ後に光も私の家に来た。友達と居たらしいんだけどすぐバイクで来てくれたらしい。それを聞いてまた罪悪感でいっぱいになったけど、来てくれたのは嬉しかった。


「ん…、蔵とあの人がホテル入ってくの見ちゃった。」


笑いながら言ってはみたものの案の定涙が溢れてきて。光がそれを拭って、私を抱きしめてくれた。


「ひ、か…」

「もう別れればええやん」

「え…、?」

「名前さんがあんな奴に振り回される必要ないやろ」


別れた方がいいって事は分かってる。でも浮気されても何されても私は蔵が好き。だから、全部耐えてきた。今さら別れるなんて、出来ないかもしれない。


「でも私は蔵の事まだ好きだよ。だから別れようって怖くて言えない。」

「…でも、」

「ごめんね光。私の事思って言ってくれるのは嬉しいんだけど…」

「…わかった。無理強いはせえへん。」


光は私をギュッと抱きしめた後にキスをして、ベッドに押し倒した。

私は光を利用しているからせめて光には私の体で良ければ満足して欲しかった。だからこれを嫌だとは思わないし、むしろ少し好きな方。光に抱かれている間は蔵を忘れられる。


「は、んぁ…、ひ、かる…、今日、どしたの…?」

「別に、どうもしない、す、わっ…!」

「あ、んん、激し、よっ…」

「激しいの好きやろ?ほら、、っ」

「ああ、んっ、ひああぁっ…!」


いつもは優しく抱いてくれるけど今日は何かをぶつけるような感じのセックスだった。


「名前さん…、すんません」

「え…?あ、あぁ、んっ」

「…は、あっ、」

「やあああぁっ!」


光は私の両腕を頭上で押さえ付けて私の中で射精した。……………え?私の中、で…?

何回か緩く腰を打ち付けて光はペニスを引き抜いた。中から光の精液が零れてくる。


「ひ、かる…?中に出したの?」

「すんません、名前さん。今日ミスりました」

「え、え…、どうしよ…」


オロオロしてる私を光がひょい、と持ち上げて浴室へと運ぶ。その間にも精液が溢れてきて床を汚した。

光は私を湯舟の蓋の上に座らせて、シャワーと指で精液を掻き出した。


「んん…っ!」

「ちょい我慢してください、今精液掻き出してるんで」

「ひゃ、あぁっ…」

「名前さん今日安全日やろ。せやから心配せんで大丈夫っすよ。」

「ほんと…?」

「おん、ほら終わったで」

「ありがと…」

「お礼言うのは違うやろ。中出してもうたのは俺やし」


よしよしと頭を撫でてくれて私の体を光が洗ってくれた。私も光の体を洗った。つまり二人で洗いっこ。こんな事したの初めてでなんだか恥ずかしい。


「名前さん、ちんこもちゃんと洗ってや」

「あ、うん」


手にボディーソープをいっぱいつけて光のペニスを洗う。っていうよりは扱いてる感じになっているんだけど。


「ん…、もっと強めに擦ってええで」

「…気持ちいいの?」

「おん、めっちゃ気持ちええ」


光のペニスがだんだん硬く、大きくなってきた。夢中で擦っていたら光の指が私の中に入ってきた。


「ひ、んああっ」

「…アカン、名前さんもう一回ええっすか?」

「うん…っ、いいよ…、」


ぐちゅ、と音を立ててペニスが中に入ってきた。ボディーソープのせいもあって中がぬるぬるして気持ちいい。くちゅくちゅと出し入れする度に卑猥な音が鳴る。


「立ちバックってめっちゃ興奮するわ、」

「ん、奥まで、当たるっ…ね」

「アカン、めっちゃ気持ちええ…!」

「ひか、あ、ああっ、んぅ、イ、ちゃう…!」

「ん、俺…、も…っ、」


光の精液が再度、中に放たれた。射精が終わった後また丁寧にシャワーと手で掻き出してくれて、体を洗ってくれた。そして丁寧に体を拭いてくれた後ベッドに運んでくれた。



終わってから私達はずっと裸で抱き合っていた。光がいっぱい私にキスをしてくれてたまに胸とか弄られてエッチになだれ込んだけど、全部含めて楽しかった。幸せな感じが…した。


「光と一緒に居ると落ち着く」

「俺も。」

「ずっとこのままがいいな」

「…俺に惚れたんとちゃいます?」

「はは、そうかもー。」


今日は光のおかげで元気が出た。光と居るときは蔵の事を忘れられた。





光は次の日もその次の日も学校をサボって私と一緒に居てくれた。





20110421

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