>> 03

今日は名前さんとデートの日や。





明日は名前さんの誕生日。それなのに部長は学校とテニスのせいにして明日の夜少しだけしか会わんらしい。

せやったら、俺がちゃんと誕生日祝ってやらなと思って、ちょっとオシャレなレストランを予約した。名前さんシャンパンとか飲めるんやろか。今考えてみると名前さんと酒飲んだ事とか無かったなあ。ま、酔い潰れたら俺がきっちり介抱してやらな。

色んな妄想を膨らませて待ち合わせ場所へ向かう。前日の電話で、『ちゃんとお洒落してきてやー』って言ったせいか、名前さんはいつもの何十倍も可愛い姿で登場した。


「これ、俺がええって言ってた服やん」

「うん、だから、買っちゃいました…」

「ほんま可愛ええなあ。さ、行こか。」


可愛ええのは服やなくて名前さんやけど。でもそんな事言えん。名前さん困らせてまうから。










明らかに敷居の高そうなレストランに少し驚く名前さん。キョドりすぎやって。まあそんなとこも可愛ええけど。


「凄いとこだね」

「せやろ?気に入ってくれた?」

「うん。料理も美味しいし、このシャンパンも美味しいよ」


名前さんはあまり酒が得意ではないらしいが、美味しいと言いながらシャンパンをグビグビ飲んでた。…あーあ、後でどうなっても知らんで。



ベロベロにはならなかったものの、完全に酔っ払った名前さんは俺の指を自分の指に絡ませて所謂恋人繋ぎをやってきた。いつもは人目を気にしてそんなこと絶対しないのに。


「ひかるー、あたしちょっと酔っ払っちゃったよーう」

「見てたら分かりますわ」

「この後どーするー?」

「この上に部屋取ってあるんスよ」

「うそっ!?さっきのレストランにしろこのホテルにしろ高級感丸出しですけどー!光セレブだねー」

「はは、驚くのはまだまだこれからやで」

「?」


名前さんの肩を抱きながら部屋に入る。何やこうしてると普通に恋人同士に見えるやん。実際は浮気相手っちゅー現実で、綺麗なモンでは無いんやけど。


「うわー、すごーい!」

「うわ、思ってたより広いな」

「きれー、景色凄い良いよー!」


子供みたいにはしゃぐ名前さん。こんな名前さん見たの初めてや。お酒の力もあるんやろうけど。



はしゃぐ名前さんを後ろから抱きしめて、予めホテルに預けておいた物を金庫から取り出した。


「これ…!」


箱を開けたら名前さんはめっちゃ驚いてた。そらそうや。俺があげたんは紛れも無く彼女が欲しがってた物やったから。


「部長達と同じモンは買いたくなかったから、完全に俺のセンスで選んだんやけど…気に入ってくれました?」

「うん…、凄い可愛い…」


あの日。俺と名前さんが再会した夜に部長が浮気相手と選んでいたペアリング。ホンマは名前さんが欲しがってたヤツやった。

だから俺がそれをプレゼントしたろと思って内緒で買ったんや。ペアリングやないのが残念やけど。でもまだ俺にはペアリングをこの人に贈る資格がない。


「高かった…でしょ?」

「そんなん気にせんでええですわ。それより名前さんが喜んでくれて嬉しい」

「光…」

「あ、もうすぐ0時や」


名前さんを抱きしめてキスをした。自分でもキザな野郎だとは思ったけど、今は名前さんを喜ばせたい気持ちでいっぱいやった。


「誕生日おめでとう、名前…」


俺達は何度も何度もキスをした。そうしてるうちに我慢出来んくなって名前さんをベッドに押し倒した。甘い香水の匂いが更に俺を興奮させた。これも俺があげた香水やったな、そういえば。


「名前さん、舌出して」

「ん…、は、あ…」

「かわええ。」


名前さんと舌を絡めながら服を捲り上げてブラもたくし上げた。ワンピースやから名前さんは下着姿になってしまって、それが堪らなく下半身にキた。


「ん、ちゅ…ん、名前さんおっぱいめっちゃ美味しいで…」

「や、あんっ、恥ずかし…っ」

「乳首ビンビンやん。めっちゃピンクやし…ほんま可愛ええ」


本音言うと俺が名前さんの処女奪ってやりたかってんけど、まあしゃーないわ。初めての男にはなれんかったけど、一番の男にはなりたい。…今は、無理やけど。


「コッチも準備万端やん」

「ひ、ううっ…、あああっ」

「クリちゃんもビンビンやなあ…ほら、」

「あ、こす、っちゃ、だめっ」

「あかん…もう入れたい…」


俺が急いで服を脱いで挿入しようとしたら名前さんに待って、と言われた。

何するんかと思ったら名前さんは俺のチンコに顔を近付けて口に含んで、手で上下に扱き始めた。


「…っ、う、今日は積極的っすね…」

「光がいっぱいお祝いしてくれたから、そのお礼」

「嬉しいっすわ、名前さん…、フェラめっちゃ上手くなったなぁ…」

「光が教えたんでしょ?」

「ハハ、そうやった…、あ、っ…」


やばい持ってかれる。名前さんの顔を一旦離して、またベッドに押し倒した。もう既にまん汁が溢れてとろとろな名前さんのまんこに一気に挿入した。


「う、わ…、グッチョグチョや…」

「あっ、ひか、ああっ、あ」
「ココ、好きやんなあ?名前さんは」


名前さんの好きなトコを突きまくると彼女は嬉しそうに喘いだ。最初はこんなんやなかったけど、こんな淫らになったのは俺の調教のお陰やな。

部長にもこんな厭らしい姿見せてるのかと思うと次第に憎悪が湧いてきて、名前さんを夢中で揺さぶって子宮を突きまくった。


「ひ、ああっ、激し、あっん、あぁんっ」

「名前さん、名前さん…、」

「ふ、あ、ひか、ひかるっ、あ、んあっ」

「名前…、好きや…っ」


それは本当に聞こえるか聞こえないかの微妙な声で、俺は言った。名前さんには快楽に溺れてるから多分聞こえんかったと思う。



名前さんがイった後の激しい締め付けに耐えられなくなって俺も名前さんの中でイった。いつもは外に出してるんやけど、今日は特別や。さしずめ、第二の誕生日プレゼントってとこやな。



いつもは完璧に避妊しとったけど今日はそうはいかんかった。

セックスしてる最中に震えた彼女の携帯。名前さんはイキまくってて気付かんかったみたいやけど、俺はそれを見逃さなかった。

ディスプレイにははっきりと、白石蔵ノ介の文字…

長い振動やったから、電話やったと思う。その直後に短い振動も聞こえた。多分、メールや。





彼女が意識を飛ばして寝ている隙を見て携帯を開いた。そこには、着信ありの表記と新着メール1件の表記。

贈り主はもちろん、『白石蔵ノ介』…

『誕生日おめでとう。もう寝てるんか?最近構ってやれなくてごめんな。明日ってか今日の夜は久しぶりに出掛けよか。名前の好きなモン食いに行こうや』



何やこのメール。こんなん送ってどういうつもりやねん。浮気して名前さん放置してんのやから、中途半端に縛り付けるなや。





俺の手は気付けばメール削除のボタンを押していた。着信履歴も、消してやった。





20110408


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