>> 01

蔵の様子がおかしくなったのは付き合って半年くらい経った頃だった。

大学が忙しいのは知っていたけど、嘘をついて私に会うのを避けるようになった。

最近では月2、3回会えれば良い方だった。で、今日がその日ってわけ。


「名前…ピアス増やしたん?」


蔵が私の耳元を触る。あれ、知らなかったんだっけ。もう開けて1ヶ月くらい経つんだけどなあ。


「うん、このピアス可愛いでしょ?」

「ピアスの数は増やさんで欲しかったんやけどなあ…」

「はは、ごめんごめん」

「髪もこんな明るくしよって…」

「蔵と同じミルクティーだよ」


最近の私は自分でも変わったと思う。茶色だった髪にブリーチを入れ明るくした。ロングだった髪もばっさり切った。ピアスも増やした。化粧も派手になったと思う。タバコだって吸い始めた。

蔵と付き合った当初の私からは想像も出来ないくらい派手になったと思う。それも全部、蔵に会えない寂しさから…と、あともうひとつ。


「どんどん派手になってくなあ…、名前。最近学校はちゃんと行ってるんか?」

「…辞めたよ。」

「は?辞めたってお前…」

「その話はいいじゃん。ね、蔵…、それより…」


蔵の首に手を回してキスをした。この話うざいんだよね。親にも散々言われた上に蔵にも言われるのはウザったい。


「ん、ん…」

「ん…、はあ、名前…、どうしたん?えらい積極的やん」

「久しぶりに会ったんだからいいでしょ?会いたかったよ蔵…」


蔵が私をベッドに押し倒して噛み付くようなキスをされた。服をあっという間に脱がされ胸元にもキスをされた。


「あ、ん…っ、蔵…」

「名前…舐めてええ?」

「うんっ…」


胸を揉まれながら乳首を舐められる。蔵はどんどんエッチが上手くなる。…当たり前だよね、だって、、


「あっん、ん、く、らぁ…」

「気持ちええの?」

「うんっ…、下も…っ、」

「せっかちやなあ、名前は」


くちゅくちゅと蔵の指が私の中を掻き回す。時々クリトリスも刺激されて意識が飛びそうになる。


「は、あ…、ああっ、ん、蔵、イっちゃう…!」

「ええよ」

「あ、ああぁっんっ」


ビクビクと体が波を打って私はイった。蔵がジーンズとボクサーパンツを脱いで、私のクリトリスにぺニスを擦り付けてくる。


「はぁ…、何やこれもめっちゃエクスタシーやな…」

「あ、あ…くらぁ…、」

「分かっとるよ…、んっ…」

蔵のペニスが私の中に入ってくる。相変わらず大きくて中が裂けそう。でも先っぽが子宮に当たって、快感のが勝つんだけどね。

パンパンと乾いた音と結合してる所から出る粘着質な音が部屋中に響く。蔵の顔が険しくなっていって、段々と動きも早くなる。


「名前…、イきそう、やっ…」

「わ、たし…も…っ!」

「はあ…、あっ、イ、ク…!」

「あん、はあっ、あああぁっ」


蔵の精液がお腹にかけられて、キスをされる。暫くキスを繰り返して蔵は私の体についた精液や体液を拭いてくれた。



裸のまま抱き合っていたら、突然蔵の携帯が鳴った。


「もしもし…、ん、今からか…?」


その電話の相手、私知ってるんだよ。これからその人と会って何をするかも…全部。


「おん、分かった。すぐ行くわ」


蔵はそれだけ言うと携帯を閉じてすぐに着替え始めた。


「もう行くの?」

「ああ、ちょっと友達が急用やって」

「そっか。」

「ごめんな」

「ううん、いってらっしゃい。」


バタン、とドアが閉まる音がする。





ねぇ蔵、私知ってたよ。蔵が浮気してるって事。私と会えないのも浮気相手と会ってて忙しいからなんでしょ?

その子が蔵のタイプの子っていうのも知ってる。私とは違って素直で甘え上手で、可愛らしい子っていうのも全部。





ねぇ蔵、私達、もう前みたいには戻れないのかな…?

そんな事を考えるのも虚しくなって、蔵の大嫌いなタバコに火をつけた。





20110408



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