>> 18

名前が帰ってこなかった。

あれから何度電話してもメールしても全く応答せず、終いには電源を切られてしまった。

白石さんに…会ってるんやろか。俺が裕美に渡した写真は何の功も奏さなかったらしく、白石さんには相手にもされんかったそうで。

もう二度と名前に近づかせんようにって思ってした事は逆効果やったんやな。



あの写真を抹消するために今、裕美の部屋に来ている。コイツにこのまま持たせてる意味も無いし、白石さんに振られて半狂乱になっとるから何しでかすか分からんし。


「名前の写真悪用したらお前も白石さんも殺すで」


これで裕美の携帯を踏み付ければ終了。この哀れな女は俺に縋って抱いて貰おうと思ったらしいが、生憎こんなブスに興味ない。


「光く…っ、私もう死にたい…っ」

「じゃあ死ねや。元々お前に興味ないねんブスが」


裕美の腕を振りほどいて、今度は名前んちに向かった。

そろそろ帰ってきてる頃やんなぁ、さすがに。

これから何をするかは、俺にも分からない。





ただ俺は名前が好きなだけやったのに…





20110720



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