あれから仁王くんに犯される日々が続いた。学校内、仁王くんの家。公園や路地裏でする時もあった。

仁王くんはあたしを犯す度に、「名前は俺のモンじゃ」と笑い「あの日」の写真を見せてくる。

でも最近はワンパターン化する行為に飽きたのか、テニス部の丸井くんや切原くん、幸村くんや柳生くんなんかも参加してくるようになった。いわゆる、乱交。

仁王くんは犯されてるあたしを携帯のムービーで撮るのが好きみたいで、日に日にあたしの写真や動画が増えていった。二人きりの時はそれを見ながらセックスする日もあった。


「名前、今日はテニス部レギュラー全員連れて来たんじゃ」

「なっ…!」

「みんないい玩具が出来たって喜んどる。ほら、みんなの抜いてあげんしゃい。」

「やあぁぁっ!」


それでもだんだんこの行為に感じてきてしまっている自分がとてつもなく嫌だった。行為が始まってしまうと、もっともっと、って快楽を求めてしまう。


「名前先輩…相変わらずヤラシーっすね…っ」

「見ろよ名前のヤツ、自分から腰振ってるぜぃ。」


切原くんに乳首を強く摘まれて、丸井くんにはあたしのグチャグチャになったソコを舐められた。


「ふあっ、ああっ…、きもち、いっ…」

「もっともっと乱れんしゃい、名前。」


雅治は相変わらずあたしを携帯で撮っていた。違う、あたしが欲しいのは切原くんや丸井くんのじゃない…


「まさ、はる…っお願い、雅治のおちんちん、ちょうだい…」

「本当にエロいのう、名前は…」


嬉しかった。雅治に挿入されて揺さぶられて、名前を呼ばれる事が。雅治はあたしを愛してくれている。そう思っていたから。


「雅治っ…キス、してっ」

「んっ…名前、ええよ」


雅治は必ずセックスの最中にキスをしてくれる。あたしは他の人とキスは絶対にしなかった。どんなに他の人に犯されてても、キスは好きな人としか出来なかったから。あたしなりの精一杯の愛情表現だった。


「ん、あ、雅治っ、もうっ…イっ、ちゃ…」

「ああ、俺もっ…、イク…っ」


どぴゅ、どぴゅと、雅治の精液が中に出る事さえ嬉しくて、興奮してしまって。


「まさはる…すき。」

「…俺も好いとうよ、名前」


あたしは彼を愛してしまっていた。彼もあたしを愛してくれている、そう信じていた。あたしは雅治にどんどん溺れていった。

最近ではもう写真で脅すことはなくなった。もうあたしが彼から逃げられなくなってしまったから。

雅治とテニス部のみんなと関係を持つようになってからあたしの黒い噂が流れ、友達も居なくなった。だからもう尚更雅治から離れられなくなってしまった。

愛し合ってるから…それだけを思って生きていた。だから他の人に無理矢理犯されるのも耐えられるようになった。

なのに。

それ、なのに…。






「雅治…好き…」

「俺も…好いとうよ…」


あたしと雅治が関係を持つようになってから、3年近く経とうとしていた時のこと。

今日は部活はオフ日だったから、夜に家に来いと言われていた。いつものように皆でセックスをするから、と。

なのに、何で…?今、あたしの目の前で雅治は知らない女の人(たぶん先輩だろう。)と愛を囁き合い、キスをしていた。

それからどんどん行為は進んでいく。いつの間にか二人は繋がっていて、雅治はその女の人の中で達した。

ショックのあまり動けなかった。雅治は、あたしを愛していたわけじゃない…。あたしはいいように使われていただけなんだ。ただの、雅治の玩具にしか過ぎなかったんだと、ようやく気付いた。





翌日、雅治に別れを告げようと思い雅治の家に行った。


「雅治…もう、やめよ。」

「…別にやめるのは勝手じゃ。でも今までの写真全部見られてもええんか?」

「何でよ…、雅治には他にも女がいっぱい居るんだから、中途半端にあたしを縛りつけないでよ!」


雅治はそれを聞いても冷静だった。冷静に、笑った。


「他の女じゃあんなに楽しめんよ。名前は俺の言うことを何でも聞いてくれる玩具なんよ。だから今手放すのはあまりにも惜しいぜよ。」

「や、何す…」

「愛しとうよ、名前…」

「やめ…っ、やああっ!」



また、犯された。

今までみたいなキスも愛もそこにはなかった。いや、元々愛なんてなかったんだ。あたしは見事彼のペテンにハマってしまっていたんだ。



もう、逃げるしかない…。彼も、誰も知らないところへ逃げよう。そう決心した。もう振り回されたくなかった。

ただ普通に、雅治を愛していただけなのに。雅治のペテンに気づかなかったあたしが馬鹿だったんだ。










あの人に頼りたくはなかったけど、どうしようもない状況になったからココへ来てしまった。深呼吸して部屋に入る。


「名前…久しぶりだな」

「久しぶり、太郎ちゃん」

「…その呼び方はやめろと言っただろう。」


太郎ちゃんはあたしの親戚で、教師をしている。逃げるためには、もう彼に頼るしかなかった。


「で、決めたのか」


コクリ、と頷いた。


「あたしを太郎ちゃんの学校に転校させて欲しいの」





20101021



「#エロ」のBL小説を読む
BL小説 BLove
- ナノ -