I love you,kiss me baby






私達は随分前から、お互いに違う道を歩いてしまっていた。





「左之さん、まだ駄目だよ…っ」

「いいじゃねぇかよ、名前の体は嫌がってねぇみたいだしな」

「あっ…、ぁんっ」


少し前から始まってしまった私と左之さんのイケナイ関係。私には彼氏が居て、左之さんはいわゆる浮気相手。セフレというヤツだ。





私の彼氏―――総司が社会人になってから私達を取り巻く環境は変わった。総司は昼間に働いていて、私は深夜のバイトをしている。すれ違うのも時間の問題だった。

総司の仕事が忙しくてなかなか会えなくて、一回だけ、総司にどうしても会いたくて総司の住むアパートに行った事があった。無用心にドアの鍵が開いていて、中に入ってみると玄関には女物のブーツが置いてあった。そして部屋の中から聞こえたのは情事中特有の男女の声。

私は耳を疑った。でもそこには知らない女の人と体を重ねる総司の姿があった。


「総司…何で…」

「名前ちゃん…?」


総司は驚いていた。そりゃそうだろう。来るはずのない私が総司の部屋に居るんだから。しかもこんな場面を目撃してしまって。



総司が好きだから別れたくなくて浮気されても我慢していたけど、会えない日々は相変わらず続いた。そんな時、私と総司の高校の先輩の左之さんと飲みに行った日から、私達の関係は始まった…。





左之さんの側は心地が良い。私を存分に甘えさせてくれるし、どんなわがままも聞いてくれる。総司と付き合っているのを知っているのに、私がただ一言「会いたい」と言えばどこでも迎えに来てくれる。


「ひあ…っ、左之さ、んんっ…」

「ん、んっ…、はぁっ…」


後ろから抱きしめられて、首筋を舐められたかと思いきや、私の顎を掴んで振り向かせ強引にキスをする左之さん。左之さんのキスは激しくて強引だけど優しい。舌をねっとりと絡めてクチュクチュと音を立て、吸い尽くされる。


「んん、はぁ…っ、左之さんの舌、美味し…っ」

「舌だけじゃなくて、こっちも好きだろ?」


そう言ってズボンを下ろして自分の股間を指差す左之さん。下着越しからでも大きくなっているのが分かる。

それに興奮して左之さんの下着を少し乱暴に下ろして大きくなったソレをくわえ込んだ。


「ちゅ、んっ、こっちも美味しい…」

「そうだろ?お前はこれが好きだもんな…」

「んん、んっ、だいすき…」


左之さんのだから、余計愛しく感じるんだよ、という言葉は飲み込んで。

左之さんのが口の中で大きくなったのを感じて、私のマンコは既に濡れてしまっていた。腰が僅かに揺れてしまって、それを見た左之さんが私の下着の上から濡れきったマンコをそっと刺激した。


「あぁ…っ」

「凄ぇな。もうこんなに濡れてる」


下着をずらしてマンコに指が入り、クチュクチュと音を立てながら抜き差しされる。左之さんは指が長くて骨張っているから、奥まで届く上に愛撫されると凄く気持ちが良い。


「あ、ぁあんっ…、はぁ、イっちゃう…!」

「ああ、イっちまえよ。」

「ああぁぁ…っ」


左之さんの指が私の中の一番良いところを刺激した時、ピュッ、ピュッと潮を噴いて呆気なくイってしまった。快感に耐えられなくて左之さんの腕にギュッとしがみつけば逞しい腕が抱きしめ返してくれた。


「本当可愛いな…お前」

「や…、恥ずかしい…」

「恥ずかしがることなんかねぇよ。もうお前のやらしい姿なんて何回も見てるからな」

「ばか…、んっ…」


左之さんは私が言われて嬉しい言葉をいっぱいかけてくれる。今みたいにキスもいっぱいしてくれるし、総司とはやっぱり違う…



本当は気付いていた。左之さんにどんどん惹かれ始めている自分に。総司よりも左之さんに会いたいと思ってしまっている自分に。

その気持ちを認めるのが怖くて必死に押し殺してはいるものの、もう取り返しのつかないところまで私の気持ちは大きくなってしまっていた。



好きだよ、左之さん…。どうしようもないくらい、大好きなの。










名前と初めて会った時から、俺は恋に落ちていたのかもしれない。

今まで付き合った女に全員名前を重ねて、時には名前を思って自分を慰める事だってあった。



名前と飲みに行った時は、正直チャンスだと思った。総司に浮気されてヤケになっていたんだろう。望み通り俺が慰めてやった。もっと運の良い事に、その日から俺と名前の関係が始まった。


「ね、左之さん。もう入れて?」


ねだり方も可愛くて堪んねぇ。総司の奴、こんな良い女をほったらかしにするなんて勿体ないったらありゃしねえ。


「いいぜ…。足開けよ…」

「うん…、あ、あっ…、おっきい…っ」

「馬鹿…んなこと言ったら余計でかくなっちまうだろ…」


名前の中の締め付けは最高で、気を抜いたらすぐ持ってかれそうになる。俺が腰を進めれば可愛い声を上げて、俺の首に手を回した。その仕種が愛らしくて名前を抱きしめながら激しく突いてやった。

激しく律動すればするほど名前の中は濡れてグチャグチャになっていった。奥を突けば中がさらに締まってイきそうになる。名前にキスをして射精をするために思い切り突き上げた。


「ぁあんっ、左之さんっ、あ、あ、気持ちいい…!」

「俺も…、もう、イクぞ…!」

「んっ、あ、私もイク、イっちゃう…っ」

「はぁ…っ、名前、名前、好きだ…っ」

「え…、?あ、あ、ああぁっ…!」


…初めて名前の中で出した。いつもは生でヤっても中に出すことはなかったが、今日は何故か我慢が出来なかった。

名前はイった余韻に浸っていて、肩で息をしながらぐったりしている。

精液が奥に届くように2、3回腰を揺らしてゆっくり引き抜けば、名前のまんこからは厭らしく精液が流れ落ちた。


「左之さん…」

「…ごめんな」

「ううん…。それより………私の事好きって、ほんと?」


思わず口に出てしまった本音。いくら名前が好がりまくっていたからといえど、俺の言葉は聞き逃さなかったみたいだ。

正直何て言えば良いのか分かんねぇ。俺がこのまま気持ちを伝えるのは名前にとっては迷惑なんじゃないか、そう思うと名前の目を見る事が出来なかった。

すると名前が俺に抱き着いてきて、耳元で囁いた。


「それとも…ただの気まぐれ?」

「…そんなんじゃねぇよ!」


思わず強めに言ってしまっい、名前は更に俺の首に強く抱き着いてきた。


「好きだ、名前。初めてお前に会った時から、ずっと。」

「左之さん…」

「お前には総司が居るから、こんな事言われても困るかもしれねぇけど…名前が好きなんだ。もうどうしようもないくらいに好きなんだよ…」


我ながら情けねぇと思う。本当に好きなら、名前のためを思ってこの関係を思って身を引くのが普通なんだろう。…でも、それは俺には出来ない。自分でも抑えが利かねぇくらいに名前を愛してしまっているから。

日に日に強くなっていく名前への思い。もう抑える事なんて出来そうにねぇんだよ…


「左之さん…」


そう言っていきなり俺にキスをしてきた名前。何が起こったのかよく分からなかったが、名前が言葉を続けた。


「私も…左之さんが好き…。会うたび好きになっていって…苦しいの」

「名前…、本当か…?」

「うん。左之さんが好きで好きで、もう抑えられないくらい好きなの…っ。」


そう言って泣きながら、名前は俺にギュッと抱き着いてきたから、俺も名前を抱きしめ返した。



こんなにも人を愛おしいと思ったのはきっと生まれて初めてだ。

あんなにも愛しくて、でも手の届かないと思っていた名前が、今俺を好きだと言って泣いている。それだけで嬉しくて俺も泣きそうになった。


「総司を裏切る事になっても、いいのか?」


でも、名前には総司が居るから。俺の居場所なんてないんじゃないかって思って、また胸が苦しくなった。


「左之さんこそ良いの?総司と気まずくなっちゃわない?左之さんも総司を裏切ることになるんだよ?」

「そんな覚悟、お前を好きになった時からとっくに出来てるよ。」


今までの関係だって総司を裏切ってる事には変わりねぇから。そんなことよりも、俺は名前と一緒に居たい。他の何を失っても、名前だけは失いたくない。そう思えるから、俺はこの選択を決して後悔はしない。


「好きだ、名前。俺の側に居てくれ」

「うん…、私も左之さんが好き…ずっと側に居る…」





そしてまた俺達は言葉を交わすことなく唇を重ねた。離さないように、何度も何度も。





20120126



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