※高校生設定






ああ 実にくだらない。

世の中も学校もサッカーも人間関係も、全部。

もちろんこの女も。


「ん、あっ、ゆうと、すきっ」

「………俺も」


女は馬鹿でくだらなくて、滑稽な生き物だ。

俺が好きと言えば簡単に体を許す。簡単に脚を開いて俺を求める。

こんな奴らで性欲を処理してる俺は、もっとくだらないんだけれども。


「はあ、ン、もっとしてっ…!」


その言葉を合図に女の腰を掴んで荒く揺さぶった。まんこが傷付くんじゃないかってくらい強く打ち付けてごりごりと亀頭で奥を刺激してやれば、こいつはだらしなく口を開けて喘ぐ。

安いラブホテルの狭い一室。ナンパされた女に誘われて仕方なくヤってやった。所詮こいつも数いるヤリマン女の一人に過ぎない。


「あ、ああ!いいっ、いいよぉ…、結人…!」

「気持ちいい?」

「きもちいっ…!あ、あ、いっちゃうっ」

「イっちゃえよ」


より一層激しく揺さぶれば女は簡単に達した。俺もそろそろ限界が近くなって、イったばかりで力が抜けた女を四つん這いにして腰を打ち付けた。

バックは楽だから好きだ。よがり狂ってる馬鹿な女の顔を見なくていいし、キスもされなくていいから。甘い行為を求めたいなら俺じゃない奴とヤれと、いつも思う。


「ああ、あ、んっ、当たってる、よぉ…っ」

「…中出していい?」

「うん、出してっ、結人の精子欲しいのぉ…!」

「、あ…っ、」


ビュルビュル、と精子がまんこの中に放出される。

女はセックスの余韻に浸っていたけど、俺は射精してすっかり冷め切っていたからちんこを抜いてズボンを履いてとっとと帰ろうとした。

その時。


「待って、結人…」


女は乱れた制服のまま脚をさらけ出し、肩を出しながら俺の制服の裾を掴んだ。

その時初めて、名前も知らないその女の顔をよく見た。ブスではない。むしろなかなか可愛い部類に入るんだろう。でも俺はこんな淫乱女に興味はない。


「何?」


自分でも驚くくらい低い声が出た。女は怯む事なくただ俺の顔をじっと見ていた。


「やっぱり覚えてないんだね。私、苗字名前っていうんだ」

「…っ!」


苗字名前。
忘れるはずがない。

俺が中学時代ずっと好きだった女だったから。サラサラの黒い髪とか、大きな目、長い睫毛、地味だったけど可愛らしい笑顔とか、全部大好きだった。

いくら髪を染めて化粧をしていたからって、気づかないなんて。最大の失態だ。


「結人がね、色んな女の子抱いてるって聞いて。だからお願いしたの。最後に思い出、欲しかったから。」


彼女は、こう言った。大学進学と共に地元を離れて地方へ行くんだ、と。俺とヤったのは最後に思い出が欲しかったからなのだと…


「…ずっと好きだったから」


彼女はそう言うと服を整えて部屋を出て行こうとした。



なあ苗字。この手を伸ばしてお前を掴まえれば、まだ間に合うのかな?あの頃の続きが、出来るのか?

俺はまだ、お前を…





20111020



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