翌日何食わぬ顔で登校した苗字。って言っても今日も絶賛大遅刻やけど。俺と顔合わせても何ら変わらず今まで通りで少しそれにイラついた。
でもいつもと少し違うのは今日はえらくご機嫌みたいで、珍しく授業中寝ずにカリカリとノートを書いていた。
…どうせ跡部絡みなんやろうな。今日の朝ヤってきたか、昨日俺と会った後にヤったか。どちらにせよコイツの跡部への愛はホンマに凄い。この俺の告白に見向きもせんかったくらいやからな。
せやけど、そんなん面白くないやん。俺かて一応テニス部No.2の実力とイケメンなんやで。昨日の事で更に火ィ点いたわ。苗字を俺のモンにして跡部に一泡吹かせてやりたい。
「おはよーさん」
「あ!忍足くんおはよー。」
「今日放課後またデートせえへん?」
「いいよー。その代わりミスドかラーメン奢ってね」
「ええで。部活終わったら連絡するから、学校で待っててな」
コイツがどうやったら手に入るか必死で考えた。俺がただ単にアピールしたとこで靡いたりしないのは分かった。それなら、どうすればいいか。
答えは一つ。跡部が苗字を捨てればええって事。こっぴどく振られたら俺が慰めて苗字を手に入れる。どっかの誰かさんやないけど完璧なシナリオの完成や。
そのためには、もうちょい跡部とも会ってもらわんとなあ、苗字。
(傷ついて傷ついて、最後に俺に泣きつけばええんや)
20110802
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