苗字と一緒に学校を出てまずアイスを奢らされた。


「んー、ベリーベリーストロベリーまいう!」

「こんな甘ったるいモンようそんなに食えんな」

「だって…女の子だもんっ」


ホンマもんのアホや、コイツ。そないに単純やから跡部に利用されるんやで。まあ今日からコイツは俺のモンやけど。

横でアイスを夢中で食う苗字を見て笑いそうになるのを必死で堪えながら俺もアイスを食った。トリプルは食えんからシングルやけど。


「…うまい」

「でっしょー!?跡部にはこんな安いスイーツ食えるかって馬鹿にされたんだけどねー。」


そらそうや。あの坊ちゃんがこんな陳腐なアイスなんか食わへんよ。あいつにとってはハーゲンダッツでさえ安物なんとちゃう?ほんまに贅沢な奴やな。金にも、女にも。


「うはー、食べた食べたー。とりあえず次どこ行く?」

「昼飯にはまだ早いしな…。せや、カラオケ行かん?」

「いーよオッケー!あ、でもAKBとか可愛いの歌えない」

「普段何歌うん?」

「ビジュアル系でデスボイス!」

「え」

「逆に、え?」

「…何でもあらへん」


むっちゃ変な奴やわコイツ。前から知っとったけど。確かに跡部の好きなタイプやない。むしろ14番目ってかなり上位やと思うけど。

とりあえずノリノリな苗字にカラオケに連行された。(ちょ、言い出しっぺは俺やで)





20110712





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