※もし跡部を選んでいた場合の話です
跡部の家の前に着いて、とりあえず深呼吸。私はこれから一世一代の大勝負をしに行くところだった。
跡部が私を好きなんてまだ信じられないけれど、跡部のあの瞳は嘘じゃないって信じたい。私を好きだと言ってくれた言葉も、勿論。
携帯を取り出して跡部に電話をかけたら、「よう、待ってたぜ」といつもと変わらない様子。でも大きな門の前までわざわざ迎えに来てくれたのが嬉しかったりして。
「決めたのか」
「うん。あのね…」
「………待て、心の準備をさせろ」
跡部にしては珍しく緊張していて、落ち着かない息を吸ったり吐いたり。さっきの私と同じように深呼吸をしていた。それを見て不意に笑ってしまう。
「何で笑う」
「ぷっ…、いや、さっき私も同じ事したなーって思って」
「チッ。俺様がお前みたいな庶民の阿婆擦れと同じ行動をしていたとは不覚だ」
「何それ」
跡部は機嫌を悪くしたのか舌打ちをして私をジロリと睨んだ。
「ちょ、ちょっとそんな顔しないでよ」
「いいからさっさとしろ。お前の答えは…どうなんだ?」
急に真剣な目で見つめられて動けなくなる。吸い込まれそうな、青い瞳。
私は跡部の目を真っ直ぐ見て、彼の手を取った。
「…好き。ずっとずっと好きだったの。跡部じゃなきゃ、駄目なの」
「フン、最初から素直に言えばいいんだよ」
跡部の手にはじっとりと汗が滲んでいた。きっと私に言われる言葉を想像して、少しはドキドキしてくれてたのかな。
「俺も好きだ。…まあお前が俺を選ぶなんて分かりきっていた事だがな」
電気も消さず、昼間から卑猥な音が部屋に響いた。ぐちゅ、くちゅ、と結合部から出る特有の音。
「あ、あっん…!跡部、だめ…っ」
「アーン?ココは嫌がってるようには見えないぜ?」
「んん、ああっ…!」
跡部の腰の打ち付けが激しくなって思わずイってしまった。跡部はそれを見て満足そうに微笑んだ後、さらに激しく打ち付けてきた。
「はあっ、あ、んっ、あと、べぇっ…!」
「…景吾だ」
「ひあ、ああっ、けいごぉっ…、気持ちいいよぉ…!」
「…っ、そんな、煽るなっ!」
亀頭が入口と奥を引っ掻いて、擦られる感覚が堪らなくなってまたイきそうになる。景吾も限界が近いのかよりいっそう強く腰を振って私に口づけた。
「は、あ…、好き、だ、名前…」
「私も、すき、すきだよ、けいごっ」
「…っ、出すぞ」
「うん、あっ、私も、いっちゃう」
「う、あ…っ」
景吾の体がぶるりと震えて私の中に精液を注ぎ込んだ。温かい感触にうっとりしていると景吾が私を抱きしめてくれた。
「もう離さねぇ…ずっと一緒に居ろ」
私、やっと一番になれたよ。
20111116
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