侑士の事を愛しているかと言われたらはっきりとは答えられない。だって私の心にはまだ跡部がいるから。
跡部に振られてヤケになって侑士と付き合ってみたけど、私にはどうも分からない。
侑士は私に自分の事を好きかと聞いてきた。私はそれが分からない。好きかと言われたらそうではないし、嫌いでもない。
ただ単に寂しさを埋めて欲しかった。跡部に振られた寂しさを。
そして今。彼の家にお邪魔している。侑士はシャワーを浴びていて私は部屋で携帯をいじりながら待っていた。
それも飽きて床に寝転がった。ふわふわの絨毯が気持ち良くて寝てしまいそう。
そんな時、ベッドの下に何かが見えた。
いけないと思いつつそれに手を伸ばしてみた。大きめの封筒の中に入った大量の写真。私はそれを見て絶句した。
「これ…!」
何とそれは、私と跡部の「あの」写真だったのだ。
私は急いでそれをベッドに戻しシャワーから出てきた侑士のキスを今まで通りに受け入れた。
写真のこと聞きたかったけど、聞けなかった。
そして私はまた彼に抱かれた…。
20110908
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