苗字が跡部に振られたんやって。





「学校はちゃんと行かなあかんで」

「…心の病で行けません」


負のオーラ全開で布団に包まる苗字。折角心配して来てやったのにさっきから布団の中に包まったまま。俺の顔さえ見ようとしない。ええ度胸やなコイツ。

…まあ、その原因を作ったのは他でもない俺なんやけど。


「せや、これ土産。プリン好きやったっけ?」

「…大好き」

「布団包まったままやと食えへんなあ」


そう言うとコイツは布団からひょっこり顔を出して俺からプリンの入った箱を奪い取った。


「おいしそー」


笑顔で言うコイツは、やっぱり可愛い。あー早よセックスしたいわ。今日来た目的はもちろんそれ。慰めセックスってトコやな。やっぱ男で傷付いたら男に癒してもらうんが当たり前っちゅーモンや。


「うん。美味しい」


コイツは何も知らんのやろうな。俺が跡部との写真を撮ったことも、学校の掲示板に貼り付けたことも。跡部と苗字を引き離そうとしてることも…全部。



それ程欲しくなったっちゅー事やで。お前は幸せモンやな。この俺が女の事で自分から行動する事なんてなかったんやから。


「少しは元気出たか?お前は笑ってる方が可愛ええよ」


そう言って頭を撫でてキスをして、ベッドに押し倒せばもう簡単や。





すまんな跡部、俺の勝ちやわ。





20110821




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