鼻歌を歌いながら上機嫌で登校した私を待ち受けていたのは綺麗な女の人。私に対してあからさまに憎悪の目を向けている。感じ悪いなあ。


「ちょっとアナタ」

「…はい?」

「景吾とどういう関係なのかしら?」


…ああ、跡部の婚約者か。見たことある顔だと思った。確か隣町の学校のミスコン1位の子で、頭脳明晰、品行方正なとびっきり美人。

私なんかがいくら頑張ったって敵うことのない存在。こういう子こそ跡部の婚約者に相応しいよね。

跡部の婚約者が私にこんな事を言ってくるってことは、たぶん私達の関係がバレたんだろうな。面倒だから適当にごまかそ。私はまだ跡部との関係を終わりにしたくないから。


「ただの同級生ですけど」

「とぼけないでよ、こっちには証拠もあるんだから」


見せられたのは私と跡部が淫らに体を重ねている写真。何これ、こんなものいつの間に。


「これ跡部が撮ったの?」

「そんなわけないでしょ!景吾は知らないって言ってたわ。たぶん、景吾のファンが撮ったんだと思うけど」

「ふーん。で、私にどうしろって言うの?」

「金輪際、景吾に会わないで欲しいの」


話をするのも目を合わすのも駄目。彼女はそう言い切った。何それ、あんた子供かっての。


「跡部の女癖なんて今に始まったことじゃないから、跡部自身がやめないと思うけどね。それに私以外にもこういう事してる人、たくさんいるよ」

「全部切るって、約束したのよ」


信じられない、あの跡部がいくら婚約者と言えど女の言うことを聞くなんて。どうせ嘘だろうと思いもう面倒になって私は彼女を無視して学校に入ろうとしたら、掲示板に信じられないものがあった。


「跡部家の恥さらしよ…アナタとの写真をこんな所に貼られるなんて」


そこには私と跡部の性交の写真がびっしりと何十枚と貼られていた。





20110815




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