「ギャハハハハ!!何だその情けない名前!!銀八?新八の兄貴アルカ!?それとも、金八先生のパクリアルカ?」


「ちょ、神楽ちゃん笑いすぎだよ…。でも銀八って、ぷくく」



二人がわざとらしく笑いを堪えて、銀時を見遣る。



「何か酷くね?俺悪くなくね?」


「銀八じゃないの?嘘だぁ」


「ちげー!!超能力はどこいったんだよ」


「すいません、嘘です」


「じゃあ何で私達の名前わかったアルカ?銀ちゃんは除いて」


取り返しのつかない事になる前に、白状することにした。
しかし、私が"恐らく異世界から来た"なんて信じてくれるだろうか。
よっぽど、超能力の方が信用性がある気がする。



「その、とりあえず、これ見て下さい」



バッグに入れてた手帳から、ある写真を引っ張り出した。



「何だ、この如何にもクラス写真ですぅって写真は……あ?」


「あ、私がいるアル!!銀ちゃんなんか、眼鏡かけて先生面ネ!!新八とジミーは欠席アルカ?右上に写真があるけど」


「あ、新八っつぁんと山崎君は、神楽ちゃんと総悟の蹴り合いの足で隠れてる。かわいそうだから、話し合いの結果こうなった」


「…で、この写真を何で出した?」


「えーっと、異世界から来たっぽいです、私。だから住むとこありません。働きますので、住まわせて下さい」


そう言って、深々と頭を下げる千緒は、今までになく真剣だった。

最初に口を開いたのは、銀時だった。



「坂田"銀時"な。坂田千緒ちゃん」


「私、神楽いうアル!!あと、定春もいるネ!!」


「わん!!」


「志村新八です…て、異世界ではもう友達なんですよね?」



新八が困ったように笑う。皆が自己紹介をした、ということは許可がおりたということだ。
それを数秒間を空けて理解した千緒は、嬉しそうに笑った。



「よろしくお願いします!!新八っつぁんとは、ただの知り合い程度だったけど!!」


「最後のは余計だァァアアア!!」





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