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夜、土方は突然現れた田中雛を本当に真選組内に受け入れて良いものか、悩んでいた。 悩むもなにも、もう受け入れてるのだから何かあったら斬ればいい話だ。
「考え過ぎでさァ」
いつの間にか沖田が土方の部屋に入っていた。沖田は土方の思考を見透かしたようなことを言う。
「何勝手に入ってんだ」
「ノックはしたんですがねィ。心の扉を」
意味ねぇじゃん、とツッコみたくなったがやめた。代わりにため息を吐き出す。
「ったく、総悟…。お前が責任取れよ」
「女中にでもすりゃ万事解決でさァ。飯も野郎が作るよりずっと良いと思いますがねィ」
「実は間者で、飯に毒を盛られたらどうする」
「その時ァ斬ればいいだろィ。土方さんは頭がカッチカチ過ぎるんでさァ」
肩を竦めながら沖田は「たまには受け入れるのも必要かと思いやすがね」と言って部屋を出た。 土方は、そういえば田中を連れてきたのは総悟だった、と思い出した。
「受け入れる…か」
つい最近、真選組内部で起きた内乱で幾人もの仲間を斬り捨てた。捨てたなら、次は来る者を拒まず受け入れるべきなのだろうか。
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