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【はじめてのおつかい】
※ヒロインは子どもファイター設定


「なまえー」
「あ、ピーチ姫だぁ!どうしたの?」
僕と遊んでたなまえを呼び止めたのはピーチ姫。長い髪を結んで、エプロンをつけているところから想像すると、料理をしてたらしい。

「ちょっと足りない材料があるのよ。街までお買い物に行ってきてくれないかしら?」
「おつかい?あたしやったことないけど、頑張る!」
「ありがとう♪ここに買ってきてほしいもののメモとお財布があるわ」
好きなお菓子、一つ買ってきていいからね。と言われて、なまえは大喜び。二人の顔を交互に見詰めてたら、なまえが気付いてくれて…。

「ピカチュウも一緒にきてくれる?その方が嬉しいな」
『うん!行く!』
だってなまえが心配だもん!大迷宮であんなに迷ってたからさ。元気に返事をして、ピーチ姫に見送られた僕らは街へと出掛けることにした。


「えーっと…玉子はどこかなぁ?」
『あっちのお店にあるんじゃないかな?』
街に着いて、ピーチ姫から受け取ったメモとにらめっこしてるなまえ。
僕はレッドたちと何度もここに来てるから、それなりにお店は知ってるつもり。なまえが迷わないように、しっかり道案内しなきゃね。

最初のお店で果物、次のお店で玉子を買った。財布からお金を出すなまえはどこか嬉しそう。そして、いよいよ最後のお店。

「ここかなぁ?」
『あ!あそこにあるよ、チョコレート!』
「ほんとだ!」
最後の買い物はチョコレート。ピーチ姫はお菓子を作ってるんだね。バレンタイン近いから、その練習かな?
ちゃんとお金を払って商品を受け取れば、おつかいは終わり!

「ちゃんと全部買えたー!これでピーチ姫も喜んでくれるね!」
『そうだね。じゃあ、なまえの好きなお菓子買って帰ろうよ』
「あ、あのね!お菓子より買いたいものがあるの…」
そう言って走り出したなまえに、置いていかれないようについていく。どこに行くのかな?なまえがお菓子よりほしいものって、なんだろ?

『ここって…』
「ピカチュウ、ここでちょっと待っててね!」
たどりついたのは、さっきもきたお店。なまえに言われて外で待ってたら、しばらくして笑顔のなまえが中から出てきた。

「お待たせー。はい!」
『あ、ケチャップ!』
そう、なまえの手に握られていたのは小さなサイズのケチャップ。僕の大好物!くれるのはもちろん嬉しいけど、なまえはいいの?って聞いてみたら、太陽みたいな笑顔が見れた。

「おつかい手伝ってもらったし、いつも一緒に遊んでくれてるから、そのお礼!」
『え?』
「ピカチュウ、いつもありがとう!」
そんなこと言われちゃったら、嬉しくって抱きついちゃいそうだったけど…流石に玉子が割れると困るからやめといた。
小さなケチャップを受け取って、逆にお礼をたくさん言う。するとなまえは僕の頭を優しく撫でてくれた。

『なまえ大好き!』
「あたしもピカチュウ大好きだよ!」
僕の言葉はなまえ以外には聞こえてないから、通り過ぎる人達は不思議そうな顔してる。でもいいや、僕はなまえとだけ話せれば満足。

なまえと並んで屋敷に返る。隣で嬉しそうにしてるなまえを見ると、僕も嬉しくなるんだ。

はじめてのおつかい、大成功だね!




14.02.04
7000番キリリク「ピカチュウの子どもヒロイン夢」でした!
リンク出せなくてすみません(>_<)

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