「動きづらい…。」
やだよこんなの。金髪のカツラで頭は蒸れるし翠のカラコン(色付きガラス板)で目はゴロゴロするし青いドレスは動きづらい。
それに…
「ジロジロ見るなデイシャ!」
「緋彗お嬢様口悪いですよ!」
「ちっ。」
「舌打ちしない!」
「むぅ……。」
マナーなんて叩き込まなくても任務になれば切り替わるから大丈夫なのにさっ!
「女って大変じゃん。なぁ神田?」
「うるせェ。」←逃げてきた人
「しかもパーティーだから正装しなきゃいけないしな。」
「うるせェ。」←それが嫌で逃げた人
「着飾らなきゃ浮くだけじゃん。」
「空気読めていないと思われるぞ。」
「だからうるせェッつってんだろーがっ!!」←嫌だから、あえて読まずに逃げた人
そんな空気誰が読むか。
「でも緋彗可愛くなってんじゃん。いつもは怒ってばっかなのに。」
「お前が怒らせるようなことをするからだ。それに緋彗は元がいいからな。」
「確かにな。」
「神田が褒めるなんて意外じゃん。」
「うるせェ斬るぞ。」
六幻を手にするとデイシャは黙った。緋彗は相変わらずダメだしされていた。
「だーらいいじゃん!任務になったら切り替えるって!!」
「言葉遣い!」
「〜〜っ〜!!(くっそぉぉぉおおっ!!!!)」
「失礼のないようにしなければ、ボンゴレファミリーの名が泣きます!」
「…
アニシナ、もぉ私疲れましたの。少しお休みしてもいいかしら?」
「上出来です。5分間休憩に致しましょう。その間は…」
カツカツとオレに寄ってくる。逃げようとするとガッと肩を掴まれた。この女、なんつー握力だよ!
「神田様、使えない男共の代わりにこの私が直々に調教して差し上げます。」
「断るッ!」
「あなたに拒否権などありません。あるのは私の調教を受ける義務のみ!」
「ユーくん、ご愁傷様。アニシナってばドSだから。」
「言葉遣い!」
「はぃぃぃぃいいっ!!!!」
僕ってば立場弱くない?そう思った任務当日の朝…。 ←→ page: