「こっちの台詞だ。」
「ひーちゃんにユーくん。早くしないとドア閉まってしまうよ。」
地下菜園に繋がる隠し扉に目を擦りながらノソノソと向かうオレと緋彗を師匠が急かす。
「その呼び方止めてください師匠。」
「僕眠い働きたくない。」
「右に同じ。」
『働かざる者食うべからず!』
「むぅ…。」
「チッ…。」
反抗的な態度をとるオレ達に、京子はもちろんデイシャやマリ、師匠が一喝する。なんで息ピッタリなんだよ。
ちなみに綱吉はまだ帰ってこない。緋彗が言うには、命を狙ってくる奴らを全員殺して帰ってくるから遅いらしい。心配してやれよ。と思った。
本棚の裏にあった入口をくぐり、カツンカツンと階段を下りる。
「気味悪ィじゃん。」
「うすら寒いな。」
「京子。ここはなんと言う部屋なんだい?」
「地獄の間と言うの。いわくつきの美術品や宝石、悪魔を題材にしたものがあるみたい。
あ、緋彗。そこの段、少し板が外れてるから気をつけtゴン
寝ぼけ眼の緋彗に京子が注意を促した瞬間に、緋彗は足を滑らして頭を打った。
「っくぅぅぅう…!!」
「だから言ったのに…。」
「うるしゃい…(泣)」
「緋彗ったらホントにマヌケね。」
オレに無理矢理立たされた緋彗は京子に小バカにされる。デイシャもつられてバカにする。
「ボケ。」
「オイコラ表出ろクソフード。2秒で3枚にかっ捌いてやる。」
イノセンスを発動したのか、左手には日本刀。漏れ出す殺気。視線の先はもちろんデイシャ。
「緋彗!そんな汚い言葉使っちゃダメでしょ!!」
「むぅ…。」
しかし京子に窘められて頬を膨らませながらスッと殺気や日本刀を消す。まだデイシャを睨んではいるが。
これが獣の目か…。と感心した。殺気を消しつつも虎視眈々と獲物を狙う、そんな感じがした。
「ごめんなさいね口悪くて…。昨日はたまたま早く起きたけど、この子ったら寝起きは悪いし低血圧だから朝はずっと不機嫌なの。しかも好戦的だから起こしてくれた人を遊びみたいに殺しちゃって…。」
だから最近は京子か綱吉が起こしていたらしい。末恐ろしいなコイツ。
「デイシャ。殺されなくてよかったな。」
「だな…(滝汗)」
「僕に殺されるような弱い奴が悪いんじゃん。だいたい人間なんて嫌いだし。」
冷や汗をかくデイシャをチラリと見てからサラっと言った。絶対、雷が嫌いな奴の言う言葉じゃねェ…。
このままじゃ進まないと思ったのか、マリがその場を制して師匠が促した。 ←→ page: