17/32 ピシャーン


「Σひっ!」

「またかよ…。」


緋彗が落ち着いてきたかと今度は雷。緋彗は鋭い音が鳴る度に息を飲む。寝ろよ。と言っても、寝たら死ぬ気がする。とわけのわからないことを言って一向に寝ようとしない。


「ゆ、ユーくんは寝てていいんだよっ?死にそうになったらなんとかするから!」

「うるせェ…テメェがうるさくて寝たくても寝れねェよ。殺す気か。」


だけどオレは緋彗がほっとけないらしく、2時を回ってるのにも関わらず寝付けない。


「明日はたぶん6時から自家菜園行って土いじり強制されるから寝なって!」

「こんな豪雨だから土流れてるだろ。」


植物栽培には惹かれるが無理だとわかりきっている。


「うちん家、地下栽培だから大丈夫だよ。」


この御時世に地下栽培かよ。


「でもお前が寝ないとオレも寝ねェ。オレを寝させたいならお前がまず寝るんだな。体に悪いだろ。」

「僕、1週間は徹夜出来るから大丈夫。」

「いいから寝ろ!死にそうになったら起こしてやるから。」


緋彗をベットに投げる。軽いから楽だった。


「ユーくん。」

「…なんだよ。」


オレ達はベットに横になって、雷は鳴り続けたまま。


「くっついていい?

あ!怖くないよ?怖くないけど寒いから。寒いだけだから!」

「(うるせェ…。)
寒いなら布団着とk「怖いです。お願いします。」


オレが舌打ちすると肯定と受け取り、ゴソゴソとよってくる。


「ユー…くん。」

「今度はなんだよ。」

「ぜったい…しぬまえ…に……おこして…。」


スースーと寝息をたてた。死ぬ前に起こせって…、一日の終わりの言葉としてどうなんだ。
そしてオレも緋彗につられて眠りについた。 page:
第3回BLove小説・漫画コンテスト結果発表!
テーマ「人外ファンタジー」
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