「Σひっ!」
「またかよ…。」
緋彗が落ち着いてきたかと今度は雷。緋彗は鋭い音が鳴る度に息を飲む。寝ろよ。と言っても、寝たら死ぬ気がする。とわけのわからないことを言って一向に寝ようとしない。
「ゆ、ユーくんは寝てていいんだよっ?死にそうになったらなんとかするから!」
「うるせェ…テメェがうるさくて寝たくても寝れねェよ。殺す気か。」
だけどオレは緋彗がほっとけないらしく、2時を回ってるのにも関わらず寝付けない。
「明日はたぶん6時から自家菜園行って土いじり強制されるから寝なって!」
「こんな豪雨だから土流れてるだろ。」
植物栽培には惹かれるが無理だとわかりきっている。
「うちん家、地下栽培だから大丈夫だよ。」
この御時世に地下栽培かよ。
「でもお前が寝ないとオレも寝ねェ。オレを寝させたいならお前がまず寝るんだな。体に悪いだろ。」
「僕、1週間は徹夜出来るから大丈夫。」
「いいから寝ろ!死にそうになったら起こしてやるから。」
緋彗をベットに投げる。軽いから楽だった。
「ユーくん。」
「…なんだよ。」
オレ達はベットに横になって、雷は鳴り続けたまま。
「くっついていい?
あ!怖くないよ?怖くないけど寒いから。寒いだけだから!」
「(うるせェ…。)
寒いなら布団着とk「怖いです。お願いします。」
オレが舌打ちすると肯定と受け取り、ゴソゴソとよってくる。
「ユー…くん。」
「今度はなんだよ。」
「ぜったい…しぬまえ…に……おこして…。」
スースーと寝息をたてた。死ぬ前に起こせって…、一日の終わりの言葉としてどうなんだ。
そしてオレも緋彗につられて眠りについた。 ←→ page: