15/32 ピシャーン


「Σはぅっ!」


雷が鳴ってしゃがみ込む緋彗。何回目なんだ?


「…そんなに雷が嫌いなのかよ?」

「怖くないから!へ、平気なんだからな!」

「じゃあ先行くぞ。」

「らめぇっ!」


ぱしっと袖を掴まれる。らめってなんだ…。


「こんな危険度の高い場所に置いてくの!?そんなに非情な人だったの!!?」

「うるせェよ。危険度が高いのは外だろ。ほら、早く着替えねェと風邪引く。」


傍によって立ち上がらせる。自分で言うのもアレだが、こんなにいい奴だったか?

緋彗はひしっとオレの腕を掴んだ。


「さ、先行ったらマジ泣くから!殴るから!!」

「もう泣いてるじゃねェか。」

「…


心の汗。」


涙を堪えてる緋彗が少し可愛いと思ったのはここだけの話。 page:
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