「ここでやるのか?」
「というかここはどこだ?」
「うちん家。」
準備体操をしながら答える。一旦、屋敷に戻って昼を食べてきたから荷物はないし、さっき殴られた緋彗の頬は湿布が張られていた。
「家に川があるじゃん。まわりは、ほぼ森だし。」
「アクサって奴は屋外にでるんでしょ?いいじゃん実践向け。」
「アクマな。オレは賛成だ。」
「私もいいことだと思うぞ。さっさと始めろ。」
1番はデイシャ、2番にユーくんとなった。マーくんはやらないらしい。
イノセンスの使用は有り。
武器も相手を殺さない程度のものなら許可。
相手が負けを認めたら終わりの単純なルール。
「じゃあ始めようか。」
その掛け声で始まった。
ザッとデイシャが突っ込んで来て隣人ノ鐘(チャリティ・ベル)を発動させ、蹴った。それを軽く前のめりにジャンプし無駄なく回避。そのままデイシャに向かう。
が
「わっ…!」
背後から高音がして足元が崩れ、体勢がふらついた。
「もらったじゃん!」
空中で隣人ノ鐘を構える。
「なめんな。」
だけど緋彗は懐から出した長いタオルを少し川に浸し、鞭のようにしてデイシャの足を捕らえて地面にたたき落とした。
ドッと鈍い音がする。
間髪を与えずにデイシャの腕を背中に回して動きを止めた。
「ハン!」
「負けちまったじゃん…。」
デイシャは負けを宣言した。
「ハイ次ユーくん。ぶっちゃけ、傷痛いんでさっさと終わらせよ。」
「オレが勝ってな。」
「む。」
ちょっとムカッと来たので、パッとでかい鎌を出す。
「どこからだした?」
「作った。ユーくん達の言い方だとイノセンス?ってやつ。」
「!
だから師匠はこの街に来てから、ろくに聞き込みをしなかったのか…。
まぁいい…始めるぞ。」
その瞬間、緋彗は消えた。
ゴッ
「Σ痛っ!」
「バカだろ。」
「うわ…オレ、あんなマヌケな奴に負けたのかよ。」
「みたいだな。」
緋彗は足が縺れて転んだ。ぶっちゃけ、半ベソ掻いてる。
「(鼻打った…!!鼻血!鼻血でてないよねぇっ!?)」
ゴシゴシと腕で拭う。ウン、血は出てない。
「もぉしわけない。再開するよ。」
目付きが変わった。 ←→ page: