11/32 「せっかくの新作…。」


話しを聞いて地面に手をつき、うなだれる。


「オレだけじゃないじゃん!」

「私も食べたな。」

「オレも強制だが。悪かったな。」


頭を撫でられる。なんかガキ扱いされて嫌だ。


「緋彗。許しておやりよ。あたしは今度でいいからサ。」

「美味しかったか…?」

『は?』

「ケーキ、美味しかったか?」



あぁ。(甘いけど。)」

「本当に?」

「緋彗。神田は嘘はつかない。」

「甘いの嫌いなのに全部食べてたしな。」

「なら、いいんだ。」

『(あ…。)』


ニコリと笑った。デイシャが、あぁぁぁぁああっ!!!!っと声を上げる。


「Σなにさっ!?」

「あ…いや、初めて笑ったじゃん。」

「確かに初めてだな。」

「そうかな?」

「緋彗ちゃんはいつも警戒しすぎなんだよ。表情硬いよ表情。」

「む。」


頬を膨らませた。少し、仲良くなった気がした。 page:
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