5/32 夜遅く、僕は帰って来た。今日は本当に嫌な日だ。さっき殺した一家には子供もいて、お父さん…、お母さぁん…。と動かない両親に泣きついているところを殺した。


ガチャとドアを開ける。すると小さい寝息が聞こえた。

あぁ、確かうちは部屋足りないんだっけ…?

そう思いながら、コートを脱ぎ捨てる。血と雨を吸っていて、ベシャッと音がした。シャワーも浴びずにソファーに倒れ込む。


「はぁ―…。ただいまリュカ…。」


長い溜息をしてから、銀のゴーレムに声をかける。体は疲れ切っていて重かった。


ベットにいた黒い影がむくりと体を起こす。


「寝てていいよ。」


僕の口から出たのは日本語で、英語じゃないとわからないんだっけ。と言い直そうとしたとき


「いい。」


日本語で返された。


「…驚いた。あんた日本人なわけ?」

「あぁ。日本語は少ししか話せないが。」

「ふぅん…。」


日本人なんて滅多に会えるものじゃないのに…意外だな。


「あ、そうだ。ここの部屋の物は勝手に使っていいよ。僕はソファーで寝るし。」

「悪いな。」

「別に。あんたらは客人だから。」


客は丁重に扱わなければならない。コレ、マナーの基本。

そういえば、傷の手当してないな。と体を起こすとグチ…と鳴った。


「ちっ…。

僕、手当してくるから寝てていいよ。」


僕は廊下に出た。 page:
「#オリジナル」のBL小説を読む
BL小説 BLove
- ナノ -