「睡ちゃんおはよう、今日もよろしくお願いね。」 「らじゃーですー…。」 早めに先生に挨拶しておきましょ?とのことで、朝早くからガキんときに俺と睡が通っていた大江戸保育園にきた。 予定よりかなり早めで、今の時刻は6時15分。正直、眠ィ。声から察するに睡も眠いんだと思う。目が少し虚ろになってやがるし欠伸ばかりしていたから。 「そっちの男性がお手伝いの方?沖田くんに近藤くん、土方くんでその子かー…睡ちゃんて男に困らないのね。」 そう言う彼女はたしか新米保育士だった深雪先生…だと思う。俺達が卒園したときは25才だったから…もう37か。 サバサバした性格と、新米の割に怒り方が怖かったのはかなり印象的だった。まぁ喧嘩で熱くなりすぎた俺も俺だが。 「ふぁあ…、だって世界の人口的には女の子よりも男の子のが多いじゃないですか。 えと、高杉くん、彼女はここの保育士の深雪先生です。何か質問がありましたら先生に聞いてください。」 まぁ私でも、ある程度なら構いませんが。という睡に、わかったと言う風に頷こうとしたら、え?高杉くん?と言う先生の声が遮った。 「高杉くんって、つき組の喧嘩っ早かった高杉晋助くん?」 「…んだよ、その目。」 「いやーん!大きくなっちゃってー!でもその生意気そうな目は懐かしっ!あ、何ソコ。どうしたのその左目。ものもらい?」 だからアレだけ、こまめに手を洗いなさい。って言ったのに!と勝手に想像し突っ走る先生。アンタから小言を言われ続けたから手だけは昔からしっかり洗ってんだ。 隠しているわけではないから、怪我して失明しちまった。と伝える。 「イタタタター…止めなさいそういう話!」 「アンタが聞いたから答えたんだろうが。」 あ、そうだった。とボケる先生に溜息をつくと睡の視線に気付いた。眠たそうだった目がパチリと大きく開いて口は半開き、驚いている。 「高杉くんと深雪先生、お知り合いだったんですか?」 「うん。て、え…?ちょ、睡ちゃん、あなた何言ってるの?」 「へ?何かおかしいこと、言いました?」 こてんと首を傾げる睡を見た先生は血相を変えて俺の腕を引き、部屋の隅に連れていって小声で話し出した。 「私もうアルツハイマーなんだろうか。」 ふざける空気じゃねェだろ。 「嘘嘘、ごめん場を和まそうとしただけ。 ね、それよりあなたと睡ちゃん、たしか大江戸保育園来の仲じゃなかった?ていうかそうだったじゃん。」 「間違ってねーよ。ただ、奴ァ小六んときに後頭部打って記憶障害持ってんだ。都合悪く、そん時の前後の記憶と俺だけ忘れてやがる。」 「完全怪しまれてる気がするんだけどどうすればいい?ってかなんで最初に言わないの!」 そしたらあんな風に意味のわからない空気にならなかったのに!と言われ、アンタが俺に喋らせようとしなかったんだろうが!と言い返した。 「まぁ…相当眠くて覚えてなさそうだからいっか。」 先生の言葉に睡の方を見るとテーブルに突っ伏している。俺より先にダウンしたのはどうかと思ったが、寝顔を見たらどうでもよくなった。 「相変わらず睡ちゃん見るときだけ顔柔らかくすんの止めなさいよ、腹立つ。」 「保育士の言う言葉じゃねえよ。」 休憩時間は22分 (…ねてた。) (でしょうね。それより隣、見てみ?) (高杉くん睫毛なが…。) (二人揃って寝ちゃってさー、 こうして見ると全然変わんない。) (?) (ずっと一緒だし。) (ずっとじゃないです先生。でも、) 高杉くんと一緒だとなんだか…安心するんですよね。 なんかやっと保育園きたのかってね、遅いね。 言い忘れてたんだけどホントは文化祭でお兄出そうと思ったら 忘 れ た … !!← 時期を見て出します。 20091014 |