甘え上手 | ナノ



「おい源田。頭撫でて欲しいか?欲しいだろ?そうか撫でて欲しいか。じゃあ撫でてやろう。」
「わ、…どうしたんだ、不動?いや、まあ撫でるのは構わないが…」
「お前が頭を撫でて欲しいっつうから撫でてやってんだよ。」
「そうか…。」

「…。」
「…。」

「よし。もう気がすんだだろ。俺に頭撫でて貰えて嬉しかったろ?」
「あ、ああ…まあ…。」

「…で?」
「…で?…って?」

「わっかんねえ奴だなあお前も。人に何かしてもらったら返すのが常識じゃねえか。」
「…ああ。」

「…。」
「…。」

「不動。」
「あ?」
「頭撫でて欲しかったのか?」
「ちげえよ、撫でて欲しかったのはテメエだろ。」
「ああ…、そうだったな。」

「源田ぁ、」
「ん?」
「また、撫でて欲しくなったら撫でてやるからな。」


ひねくれ者の甘え方。