「唐須!お前はまたあんなメール寄越しやがって…!」 あー、口煩いクチ五月蝿い。そうやってやいやい言われるのが逆に食欲減退の原因って知ってますかァ?まあ知りませんよねえ。だってアンタは良かれと思って言ってんだろうしい。でもアンタが良かれと思ってやることって全部裏目に出るんスよ。 「そういうアンタこそ、何食って生きればそんなひょろっちいままなんスかあ?」 「減らず口を叩いている元気があったら自分で米くらい炊けるようになるんだな。」 「んなもん出来るようになんなくても、アンタがずっと作ってくれたらイイじゃないスかぁ。飛鷹さァん。」 「その猫なで声を止めやがれ。俺はお前の母親じゃない。」 やれやれだ。真面目な反応しか返ってこねえんだもんなあ。これプロポーズっスよ飛鷹さぁん。だるい腕で枕元にある煙草を取り出す。なんで人間って煙草だけで生きていけんのかねえ。白い煙は空気中をだらだら漂って、狭いキッチンにまで辿り着いた。律儀にエプロンなんてしちゃってかわいーねェ。 「また煙草か…。いつも言ってるが、俺は毎日来れる訳じゃないから早く自活出来るようになってくれ。」 「別に俺が自活出来なくての垂れ死んだってアンタにゃ関係ないじゃないスか。」 「馬鹿野郎。一度自分を兄貴と呼んだ奴を見捨てるような不義理な人間にはなりたかねえよ。」 「アンタっていっつもそれだもんなあ。」 俺が自活出来るようになったらどうせ安心して他の奴のとこ行っちまうんだろ?こうやってアンタがマメに来て自活しろって言う度に、俺はどんどん駄目な野郎になってくっつーのに。 結局、アンタが良かれと思ってやることって全部裏目に出るんスよ。 ねえ、飛鷹さん? |