朝でもなく昼でもなく夕方でもなく夜でもなく、今この時をあらわす言葉は特になく、朝食はとった昼食もとった間食にはまだ早いそして夕食にはまだまだ早い。 そんな、曖昧でいて強いて言えば間延びした昼下がりを二人はただただぼんやりと無頓着に過ごしていた。 「…俺は鬼道のことが好きだったんだろうか。」 ココアを飲もうと口を開いたついでに、源田はそんなことをぼんやりと呟いた。不動はそれを横目で見ていて、「知らね。」と適当に答えた。そしておもむろに手を伸ばしてココアを奪う。指先からなまぬるさがぼんやり。ごくりごくりと飲んだ。 「そうか。」 源田はわかったようなわからないような返事をして、それでも多分あれこれと考えている。不動は不動で、手元のぬるいココアについて考えている。甘さが足りないような気もするが、絶妙と言えばそんなような気もする。 「なあ、やっぱり…、」 「知らねえって。」 先回りされて出口を失った源田は、悶々とした。そんなことにはお構いなしに、たっぷりひとくち分残った、あるいは残したココアを不動はぐいと押しつける。 マグカップを大人しく受け取ってから、しばらく見つめたあとで、源田はそれを一気に飲み干した。 ぼんやりとした 昼下がりを 飲み干す |