基山ヒロトと風丸一郎太
「世界は誰が居ても誰が居なくても回る。」
「え…?」
「これは悲観じゃなくて、事実だ。」
「ヒロト…?」
「例えば俺が居なくたって。」
「…っ、ヒロト!」
「どうしたんだい風丸君。そんな慌てた顔をして。例えばの話だよ。」
ふっ、と微笑んだヒロトはあくまでもいつも通りだ。小さく笑みを形作った唇は、そのままゆっくり言葉をうみだした。
「…だから円堂君が居なくたって、俺の世界はちゃんと回るんだ。」
風丸は思いつく限りの言葉をすべて飲み込んで、「…そうだな。」と細く相槌を打った。
今日は結婚式。
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